2000 Fiscal Year Annual Research Report
電子デバイス接続部の鉛フリー化のための変形制御構成モデルに関する研究
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12650067
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐々木 克彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90215715)
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Keywords | 電子実装基板 / 鉛フリーはんだ / 時間依存性 / 温度依存性 / 構成モデル / 塑性変形 / クリープ変形 / 応力緩和 |
Research Abstract |
本研究では,電子デバイスの鉛フリー化のための基礎的な実験的・理論的検討を行い,鉛フリーはんだの変形特性を的確に記述できる変形制御構成モデルの構築を試み,電子デバイス構造体の鉛フリー化のための新しい構造解析手法を提示し,なおかつ,信頼性評価法および最適構造設計法の確立を目指す.本年度得られた成果を以下に示す.(1)現在検討されている鉛フリーはんだのなかで,安全性・信頼性の上で最も有望視されているSn-3.5Ag-0.75Cu合金を研究対象材料として選定した.(2)はんだ材の変形特性を記述するための変形制御構成モデを構築するための基礎データとなる,鉛フリーはんだ材の変形に対する時間依存性,温度依存性に関する実験を行った.実験を行うにあたり,熱疲労試験を考慮に入れた試験装置を試作した.これにより,鉛フリーはんだ材の時間依存性および温度依存性が明らかになった.また,同時に低サイクル疲労試験を行い,鉛フリーはんだの低サイクル疲労特性も明らかにした.そして,現在広く用いられている鉛はんだの変形特性や低サイクル疲労特性との比較を行い,その特徴的な変形・疲労特性を明確にした.すなわち,鉛フリーはんだの低サイクル疲労特性は脆性的であること,また,鉛はんだと比較して鉛フリーはんだは大きな残留応力が生じることから実装基盤のそり変形が問題になるであろうことを示した.(3)上記(2)で明らかにした鉛フリーはんだの時間依存性と温度依存性を記述可能な構成モデルの検討を行った.古典的な塑性理論では時間依存性や温度依存性の記述が困難なため,結晶塑性理論の援用が必要不可欠であることがわかった.このためには,鉛フリーはんだ材の変形に伴う微視的構造変化をより詳しく検討する必要があるとの結論に達した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 佐々木克彦: "背応力の等価性を孝慮した後続クリープの定式化"日本機械学会論文集A編. 66巻649号. 1666-1673 (2000)
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[Publications] Ken-ichi Ohguchi: "Constitutive Modeling for Sn-3.5Ag-0.75 Solder Alloys"Plastic and Viscoplastic Response of Materials and Metal Forming. 1. 366-368 (2000)
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[Publications] Ken-ichi Ohguchi: "Description of Temperature Dependence and Creep Deformation of 60Sn-40Pb Solder Alloys"JSME International Journal Series A. Vol.44.Nol. 82-88 (2001)