2001 Fiscal Year Annual Research Report
降状点現象および不均一塑性変形を記述する多軸繰返し塑性構成モデルとその応用
Project/Area Number |
12650088
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉田 総仁 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50016797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 操 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50144879)
岡田 達夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00233338)
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Keywords | 降状点現象 / 多軸応力 / 繰返し塑性 / 構成式 / 不均一塑性変形 / 転位 |
Research Abstract |
本研究では,粘塑性変形は降伏(弾性限界)応力を超過した応力の作用により生じると考える超過応力(overstress)構成式を用い,境界曲面の中を降伏曲面が移動する二曲面モデルにより硬化特性を記述する繰返し粘塑性構成式を提案した.その構成式を用いて,軟鋼板の単軸引張りにおけるリューダース帯の伝播,種々の繰返し塑性変形(速度の異なる引張り試験,定ひずみ繰返し試験,ひずみおよび応力制御ラチェット試験)における応力-ひずみ応答などのFEM数値シミュレーションを行い,軟鋼板を用いた実験結果と比較検討を行った.得られた主な結果は以下のとおりである. ●可動転位密度の急激な増殖と転位速度の応力依存性を考えることにより上降伏点からの降伏降下およびその後の降伏段を表現できた.また,降伏段のひずみ速度依存性もよく表現できた. ●実験では,リューダース帯が試験片の片側のみから伝播するものや,片側からリューダース帯が発生し,その伝播途中でもう一端からも発生伝播するケースが観察された.これについては,試験片の形状誤差や,試験片を治具に取り付ける時の誤差により,応力集中の仕方が異なったためであると考えられる. ●解析では,上降伏点からの急激な降伏降下を考慮することにより,塑性ひずみの局所化による不均一変形(リューダース帯の伝播)をよく表現できた. ●非硬化領域を考慮することで実験結果が示すような繰返し硬化のひずみ幅依存性を表現することができた. ●応力制御ラチェットの解析結果は,実験結果が示すラチェットひずみの進行におよぼす応力速度の影響,ひずみ進行の停止(シェイクダウン)などの挙動をよく表現できた.とりわけ応力-ひずみヒステリシスがほぼ閉じるような移動硬化則を用いることでより精度の高い解析が可能になった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] F.Yoshida: "Plasticity models describing the Bauschinger effect and yield-point phenomena"Inzynieria Materialowa. 112・5. 974-980 (2001)
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[Publications] 上森武: "軟鋼板の大ひずみ繰返し塑性変形挙動とその構成モデル"塑性と加工. 42・480. 64-69 (2001)
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[Publications] 亀井徹: "軟鋼板の降状現象の数値シミュレーション"第52回塑性加工連合講演会講演論文集. 229-230 (2001)
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[Publications] 吉田総仁: "大ひずみ繰返し塑性構成モデルの提案"平成13年度塑性加工春季講演会講演論文集. 9-10 (2001)