2000 Fiscal Year Annual Research Report
複合材料における損傷評価のための電磁超音波センサの開発
Project/Area Number |
12650092
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山嵜 友裕 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (80230382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元木 信弥 大阪市立大学, 工学部, 教授 (40221626)
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Keywords | 複合材料 / 超音波 / センサ / 損傷評価 |
Research Abstract |
複合材料,特に繊維強化プラスチックは軽量かつ高強度である特長を活かして航空機材料などとして用いられるようになってきており,材料の損傷を使用中にでも検出できる手法の開発が望まれている.本研究は,金属材料で実用化されている超音波法を繊維強化プラスチックに適用することを目的としており,今年度は導電性のないガラス繊維強化プラスチック(GFRP)に適用可能な電磁超音波センサを開発した. 電磁超音波センサとは,コイルと磁石とから構成され,測定対象に非接触で超音波を送受信できるセンサである.金属試料上に置かれたコイルに高周波電流を流すことにより試料表面近傍に渦電流を発生させ,磁石による静磁場と渦電流との相互作用であるローレンツカにより超音波を励起する.コイル形状を工夫することにより様々なモードの超音波を扱うことができる.GFRPは導電性がなく渦電流が発生しないため,材料成型時にシートコイルを埋め込むことによりコイルに流れる電流を超音波の発生源として利用した.送受信位置は磁石を移動させるだけで容易に走査可能である. まず従来の圧電素子を用いて長方形コイルの電磁超音波センサの動作を確認したところ,せん断波を送受信でき,静磁場の反転により波形を反転させることが可能であった.次に長方形コイルのセンサを用いて送受信間距離を変化させてSH板波の音速測定を行った.各伝ぱ距離に対して送受信いずれかのセンサの磁石を反転させた2つの波形の差をとることによりSH板波の波形だけを抽出可能であり,伝ぱ方向と偏向方向を入れ替えたSH板波の音速が理論どおりほぼ等しいという結果を得た.さらに蛇行コイルを用いて板波の音速測定も行えることを明らかにした.各周波数成分の音速,すなわち分散関係を測定した結果,テフロンシートにより導入された人工はく離を検出できるほどの精度を得るまでには至らなかった.
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Research Products
(1 results)