2000 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ円筒体の高精度・高能率センタレス研削法の開発
Project/Area Number |
12650107
|
Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
呉 勇波 秋田県立大学, システム科学技術学部, 講師 (10302176)
|
Keywords | センタレス研削 / 超音波振動 / マイクロ部品 / 調整砥石 |
Research Abstract |
近年,走査型トンネル顕微鏡と半導体検査装置用のプローブやマイクロマシンパーツ,微細加工用ツールなど直径数十μm程度のマイクロ円筒体の需要が急増している.これら部品の加工については,センタレス研削は工作物が研削幅全長にわたって調整砥石とブレードによって支持されるため,微小径の円筒体に対しても高精度・高能率加工が期待できる.ところが,従来のセンタレス研削盤でマイクロ円筒体の加工を行おうとした場合,次のような問題が生じる.すなわち,(1)工作物がサブグラムオーダで非常に軽量なため,研削液の表面張力で研削中に工作物が調整砥石によって上方へ持ち上げられ,研削が不能になる.(2)ブレードの厚さを工作物径より小さくしなければならないので,高々数十μm厚さのブレードが必要になる. そこで,本研究では調整砥石を用いないマイクロ円筒体のセンタレス研削法を考案した.これは,従来の調整砥石による工作物の支持作用と送り込み作用を微小送りユニット上に載せた可動シューによって行い,工作物の回転駆動作用をブレード頂面の超音波楕円振動によって行うものである. これまでの中間結果としては,加工実験機を構築し,φ1〜φ5mmの工具鋼製丸棒の回転駆動に成功した.実験機の構築では,まず微小送りユニットを設計・製作し,送り駆動テストを行った結果,可動シューが0.7μm/s程度の移動速度まで微小駆動可能であることを確認した.次に超音波振動ブレードを設計・製作し,その動作をブレード頂面の振動を実測することによって調べた.そして,既設機を改造し微小送りユニットと超音波振動ブレードを取り付けて,実験機を構築した.構築した実験機でφ1〜φ5mmの工具鋼製丸棒の回転駆動テストを行った結果,超音波振動ブレードによって工作物を回転駆動することができることを確認した.
|