2000 Fiscal Year Annual Research Report
金属箔のマイクロインクリメンタルフォーミングによるマイクロシェル構造の成形
Project/Area Number |
12650114
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田中 繁一 静岡大学, 工学部, 助教授 (60197423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 晴樹 静岡大学, 工学部, 教務員 (80303535)
早川 邦夫 静岡大学, 工学部, 助手 (80283399)
中村 保 静岡大学, 工学部, 教授 (70023322)
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Keywords | 塑性加工 / マイクロ成形 / インクリメンタルフォーミング / 板成形 |
Research Abstract |
本研究は.ミリあるいはサブミリオーダーのシェル状部品のフレキシブルな逐次成形法を確立することを目的とし,本年度は,極薄金属板逐次成形の破断限界とそれに関連する表面あれ,非等高線成形パスの導入と,それによるひずみ分布制御の可能性を検討した.また,温間域での成形に関する検討も行った. 工具接触裏面のあらさは成形度の増加に伴い増加する.一方,工具接触面のあらさは初期に増加するのみで,以後は一定あるいはわずかに減少する.また,工具進行方向のよりそれに垂直方向のが若干大きい.また,一軸引張りに伴う表面あらさに比べて,インクリメンタルフォーミングにおけるあらさの発達は大きく10μm程度の素材の成形においては板厚の大きな不均一をもたらすことを示した. 錐頂点が偏心した四角錐形状のような製品形状の一部に急勾配壁をもつ製品を等高線成形パスを用いて成形した場合には,急斜面側がsin則に従って薄肉化して破断する.成形パスに対する等高線という制約を取除いてパス平面を適切に制御する,工具パスの一般化の概念を導入した.これによりいくつかの形状の一部に急勾配壁をもつ製品の成形を可能にした.これにより,材料変位をある程度制御でき,また,平面を基準とする非等高線成形パスを組合せて,提案する手順で垂直壁を成形することが理論的には可能あることを示した. オーステナイト系ステンレス鋼の加工誘起マルテンサイト変態と温間域における変形抵抗の温度依存も大きいことを考慮して,温間成形を適用して,破断限界に及ぼす影響等を確認したが,室温(25℃)〜130℃においては成形温度は破断限界に影響をほとんど及ぼさなかった.
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