2001 Fiscal Year Annual Research Report
金属箔のマイクロインクリメンタルフォーミングによるマイクロシェル構造の成形
Project/Area Number |
12650114
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田中 繁一 静岡大学, 工学部, 助教授 (60197423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 晴樹 静岡大学, 工学部, 教務員 (80303535)
早川 邦夫 静岡大学, 工学部, 助手 (80283399)
中村 保 静岡大学, 工学部, 教授 (70023322)
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Keywords | 塑性加工 / マイクロ成形 / インクリメンタルフォーミング / シェル / 金属箔 |
Research Abstract |
インクリメンタルフォーミングをミニチュア化した場合の破断限界あるいはスケール効果をステンレス鋼箔(SUS304焼鈍し材,t=10〜100μm)を用いて検討し以下の結論を得た. (1)加工システムつまり工具サイズおよび工具送りを固定した場合,破断時の板厚ひずみの絶対値で定義される破断限界ひずみは初期板厚の減少に対してほぼ直線的に減少する. (2)今回の供試材の板厚方向の結晶粒径がほぼ同一であることに起因して成形に伴う表面あれの発達がほぼ同じとなった.ゆえに,板厚不均一の発達はt=10μmの素材において最大となり,これが加工限界の最大の低下をもたらした. (3)工具送りが小さいほど,また工具サイズが小さいほど加工限界が上がる.工具サイズに対する加工限界上昇効果は,板厚が大きいほど顕著である.一方,t=10μmにおいてはほとんど加工限界に変化がない. (4)板厚に対して加工システムを相似に縮小した場合つまり板厚の減少に対して比例的に工具サイズと工具送りを小さくした場合の破断限界は,Scaling factor λに対してほぼ一定である.しかし,λの減少に対して加工限界は若干低下しt=10μmに対しては極端に小さくなる(スケール)効果が確認された. (5)今回の実験において,表面あれの発達は相当ひずみの増加にほぼ比例しており,工具サイズのとの相関は確認されなかった.ゆえに,表面あれによる板厚不均一は工具サイズに起因する破断限界の差の直接的な原因ではない.
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