2001 Fiscal Year Annual Research Report
超音波振動付加による超耐熱合金の被削性向上と切削機構解明
Project/Area Number |
12650116
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鬼鞍 宏猷 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90108655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲木 昭雄 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20038095)
大西 修 九州大学, 大学院・工学研究院, 講師 (50315107)
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Keywords | 仕上げ旋削 / 超耐熱合金 / 超音波振動 / 工具磨耗 / 表面粗さ / 冷却剤 / インコネル718 / 液体窒素 |
Research Abstract |
ねじり振動型超音波振動切削装置上に取付けた,コーティッド超硬工具とCBN工具を用いてニッケル基超耐熱合金インコネル718の仕上げ旋削を試み,工具に付加する主運動方向超音波振動および作業環境保全を考慮した冷却剤が工具摩耗および仕上げ面粗さに及ぼす影響を明らかにした. 実験に先立ち,超音波振動切削装置および工作物の保持剛性が,安定した切削を行うためにきわめて重要であることを明らかにした.そこで,超音波振動切削装置の筐体を閉じた形でがっちりと工具台に固定した.また,工作物もスクロールチャックと心押し台においてがっちりと工具台に固定した. 切削実験の結果,次のことが明らかになった. (1)一般に,CBN工具に超音波振動を付加すると境界摩耗および逃げ面摩耗が大きくなり仕上げ面粗さが劣化する.この原因としては,被削材の切れ刃への凝着と引き剥がしの反復およびCBN工具の靭性の不定などが考えられる. (2)CBN工具の切削箇所への植物油の供給は圧縮空気の場合よりやや摩耗が小さくなる. (3)CBN工具に超音波振動を付加せずに新フロン系冷却剤を供給した場合に,圧縮空気の場合より切れ刃への凝着と前境界摩耗が抑えられる可能性がある.ただし,新フロン系冷却剤の場合には,前逃げ面に欠損が生じることがあり,これを回避する対策が必要となる. (4)超硬工具に超音波振動を付加し切削箇所に液体窒素の供給すると,111m切削後に,表面粗さは理論粗さに近い2μm弱となった.切削箇所の温度低下による,被削材の切れ刃への凝着性低下によるものと推測される.まだ,切削距離が短いので,今後の追究が必要である.
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