2000 Fiscal Year Annual Research Report
シュリンクフィッタによる光学レンズの超精密接合の基礎的研究
Project/Area Number |
12650138
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新田 勇 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (30159082)
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Keywords | 機械要素 / 締結要素 / シュリンクフィッタ / 光学レンズ / 超精密接合 / スポット径 / レーザー / スキャナー |
Research Abstract |
現在のレンズ組込み技術によれば,各レンズはスペーサーにより軸方向の間隔のみ正確に調整されている.しかし,鏡筒と各レンズの間は僅かな隙間が存在するために各レンズの軸心と鏡筒の軸心は一致していない.そのため,レーザースキャナー用の走査レンズとして用いた場合は,レーザー光はある値以下には絞り込むことができない.すなわち,レーザーの結像スポット径はある値より小さくできない.シュリンクフィッタは円筒形状で,半径方向にスリットを有している.また,シュリンクフィッタは高分子材料製であるため,アルミ鏡筒に比べて熱膨張係数はかなり大きい.したがって,周囲の温度が上昇し熱膨張により鏡筒内径が大きくなっても,シュリンクフィッタはそれ以上熱膨張しレンズー鏡筒間の弛みを防止する.このため,温度変化があっても構造的にレンズ群の中心軸はずれない. 本年度は,シュリンクフィッタの最適設計として,有限要素法を用いて最適なシュリンクフィッタの形状と寸法を求めた.解析に際して物性値は,レンズの種類ごとにカタログデータを用いた.シュリンクフィッタ材料としてはPOMを用いた.さらに,レンズと鏡筒の接合面の形状誤差を求めて,接合の数値シミュレーションを行った.また,シュリンクフィッタ材料用いる高分子材料には,常に接触圧力が作用するために,クリープ変形により接合圧力が低下することが予測される.そこで,4種類の高分子材料について3種類の温度のもとクリープ試験を行った.その結果,現在主に用いているPOMの耐クリープ特性が比較的良好な事を確認した.
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