2000 Fiscal Year Annual Research Report
超音速矩形ダクト内の衝撃波と圧縮性乱流境界層の干渉現象の解明と制御
Project/Area Number |
12650152
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
杉山 弘 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70002938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝端 一秀 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (00271875)
新井 隆景 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10175945)
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Keywords | 擬似衝撃波 / 衝撃波・境界層干渉 / 超音速流れ / 乱流 / レーザードップラー流速測定(LDV) / パーティクルイメージング流速測定(PIV) |
Research Abstract |
矩形断面を持つダクト内の超音速流と乱流現象は、次世代の宇宙往還機エンジンとして期待されているスクラムジェットエンジンの内部流れの特性・制御に密接に関連しているが、非常に複雑な現象であるためそのメカニズムには未解明の部分が大きい。スクラムジェットエンジン設計のために早期の解明が待たれている所である。本研究では、スクラムジェットエンジンの分離部・燃焼器を模擬した矩形ダクトを用い、燃焼器の発熱で発生する圧力上昇に対応させて流路下流側に圧力上昇を与え、擬似衝撃波を発生させ、その際の超音速内部流動と圧縮性乱流境界層の挙動を詳細に調べている。 平成12年度は、マッハ数2と4の超音速矩形ダクト内の衝撃波と乱流境界層の干渉を含む流れの可視化、流速分布測定、および圧力変動測定を実施し、擬似衝撃波内の衝撃波・境界層干渉現象の基本的な構造・特性を明らかにした。 1.擬似衝撃波の発生位置を調節するためのshock generatorを設計・製作した。 2.衝撃波・境界層干渉領域における速度分布および速度変動を、二次元レーザードップラー法(LDV)および3次元パーティクルイメージング法(PIV)によって測定した。このために必要なトラバース3軸コントローラを本補助金によって購入した。 3.干渉領域における壁面静圧変動の測定を、高感度圧力変換器、専用直流増幅器、および本補助金で購入した高速データローガを使用して実施した。 4.干渉領域の流れ場をナノスパーク光源、シュリーレン光学系、および高速度デジタルビデオカメラにより可視化し、流れ場構造の概略を捉えた。 これらの研究作業によって、本研究に供されている室蘭工業大学既設超音速風洞の流れの一様性が証明されると共に、マッハ4内部流れにおける擬似衝撃波構造の概要が国内ではじめて明らかにされた。 来年度の予定としては、3次元PIVによって流れ場構造を一層詳細に解析すると共に、剪断応力センサーや油膜法によって衝撃波・乱流境界層の干渉による剥離構造を調べる。これらによって、擬似衝撃波制御方法や、スクラムジェットエンジンの空気取り入れ口、分離部、および燃焼器の合理的設計方法につながる知見を得る見込みである。
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