2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650187
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
村松 久巳 沼津工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (70219939)
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Keywords | 空気圧工学 / 騒音 / 消音器 / 脳波 / β波 / やかましさ / スティーブンスの式 |
Research Abstract |
空気圧機器から発生する空気圧騒音は,空気力学的に発生する音を原因とするものが多く,これを消音器により減衰した音とともに高周波数成分が多い特性であり,やかましい騒音である。一般的に,空気圧騒音を定量的に評価する場合,騒音レベルが広く用いられている。しかし,騒音レベルがやかましさの感覚をあらわす評価量とはいえず、空気圧騒音の場合,やかましさの評価量を新たに検討する必要があると考える。そこで,本年度の研究は,空気圧騒音を聞いた人間の脳波に,やかましさの感情が反映するものと考え,これに基づく騒音の新たな評価方法,すなわち感性評価を取り入れた方法を提案することを目的とする。 音刺激を加えたとき,脳電圧はその振幅変化より,3つの時間領域に分割でき,第2期の脳電圧をα波とβ波に周波数分析した結果,音刺激がある領域では,β波の低周波成分であるβ1が,広い領域で連続的に高い電圧を示した。感覚情報は大脳辺縁系の扁桃核に入り,ここで快・不快をもたらし,大脳皮質においてβ波が発生することが報告されている。さらに,人間の大脳皮質の前頭連合野は思考,感情,情操などの高次の精神活動を司っていることが知られている。これより,この前頭連合野に近い皿電極で得られたβ1の脳電圧について着目した。感覚生理学で明らかにされているように,人間に加えられる刺激の強さSと,感覚の強さIはスティーブンスの式(1)で表される。本研究では刺激の強さSは,音圧であり感覚の強さIはβ1の電圧である。この式において,S0は人間の最小可聴値20μPaであり,nとkは刺激の種類により異なる定数である。β1の電圧と音圧Sとの関係を調べ,スティーブンスの式におけるnとkの値を求めた。この式より空気圧騒音に対するうるささの比較が可能となった。 log_<10>I=n・log_<10>(S-S_0)+k (1)
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Research Products
(1 results)