2001 Fiscal Year Annual Research Report

高速間欠燃焼場における燃料塊と乱流の相互スケールに関する研究

Research Project

Project/Area Number	12650188
Research Institution	HOKKAIDO UNIVERSITY
Principal Investigator	近久武美北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00155300)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	菊田和重北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90214741) 望月修北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50157830)
Keywords	拡散 / 乱流 / 燃焼 / スケール / 噴霧 / エントロピー / 混合 / 空気導入
Research Abstract	日本の基盤産業の一つである自動車技術を支える基礎研究として、燃焼場における燃料塊と周囲空気との拡散制御を目的とし、特に拡散状態の定量解析法の開発ならびに燃料塊と乱流とのスケールに着目した相互関係の解明に向けた研究を行った。昨年度の研究においてエントロピー概念を用いた不均一状態の定量表現法ならびに流体塊のスケールの特定法が確立されたので、本年度は噴霧中の混合・拡散現象に本手法を適用し、その構造解析を行った。まず、観察の容易な液・液体噴流の拡散構造を解析した結果、ノズル近傍から下流に移動するにつれて流体塊のスケールが増大するほか、小さなスケールの流体塊は均一化が進み不鮮明となっていくこと、また大きなスケールの流体塊は下流側でより鮮明に残留していることが確認された。次に高圧雰囲気中に噴射した液体噴霧の観察を行ったところ、液・液噴流で観察されたと同様な上述した特徴が観察された。また、小さなスケールの拡散強度は下流にいくにつれて徐々に減少するのに対して、比較的大きなスケールでは噴霧境界に見られる大規模な渦構造に対応した間欠的な強度分布となることが認められた。さらに、拡散促進を目的として噴霧火炎に噴流を衝突させる実験を行った結果、衝突領域の周辺部で大きなスケールの拡散が、また衝突部では小さなスケールの拡散が顕著に促進され、燃焼期間の大幅な短縮が実現されることが確認された。一方、拡散混合現象に関連した事象として、ディーゼル噴霧燃焼におけるNOx生成問題を取り上げ、その主要な発生は噴霧先端部近傍の拡散の弱い非定常構造領域によるものと推定して、実験および数値シミュレーションによる検証を試みた。その結果、推測どおり噴流先端部の非定常構造領域で大量のNOxが生成することが確認され、この先端部構造の早期拡散・消滅化と、定常火炎長さにいち早く到達させることが、NO低減の鍵であることが示された。

Research Products

(8 results)

All Other

All Publications (8 results)

[Publications] 近久武美, 湯山亮, 菱沼孝夫: "拡散混合過程における不均一性の定量解析法"日本機械学会論文集 (B編). 67-658. 1563-1570 (2001)
[Publications] 湯山亮, 近久武美, 菱沼孝夫: "エントロピー法によるディーゼル噴霧内の拡散構造解析"日本機械学会論文集 (B編). 68-667. 68-667 (2002)
[Publications] T. Chikahisa, Y. Hishinuma, H. Ushida: "Mixing Conditions with Spray-Jet Interaction for Effective Soot Reduction in Diesel Combustion"International J. of Automotive Technology. 3-1. 17-25 (2002)
[Publications] R. Yuyama, T. Chikahisa, K. Kikuta, Y. Hishinuma: "Entropy Analysis of Microscopic Diffusion Phenomena in Diesel Sprays"The 5th Int. Symp. on Diagnostics and Modeling of Combustion in Internal Combustion Engines (COMODIA). (CD-ROM)542-550 (2001)
[Publications] 金子友海, 菱沼孝夫, 近久武美: "非定常噴流拡散火災の成長過程におけるNOx生成量変化"日本機械学会2001年年次大会講演論文集. 483-484 (2001)
[Publications] 金子友海, 近久武美, 菱沼孝夫: "非定常噴流火災長さとNO量に関する数値シミュレーション"日本機械学会北海道支部第41回講演会講演概要集. 144-145 (2001)
[Publications] 金子友海, 近久武美, 菱沼孝夫: "非定常噴流拡散火災の成長過程におけるNOx生成量変化 (予測と実験結果の相異とその解釈)"第39回燃焼シンポジウム講演論文集. 259-260 (2001)
[Publications] 湯山亮, 近久武美, 菱沼孝夫: "エントロピー法による衝突噴霧内の拡散構造解析"日本機械学会2001年度熱工学講演会論文集. 115-116 (2001)

2001 Fiscal Year Annual Research Report

高速間欠燃焼場における燃料塊と乱流の相互スケールに関する研究

Principal Investigator

近久 武美 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00155300)

Research Products

[Publications] 近久武美, 湯山亮, 菱沼孝夫: "拡散混合過程における不均一性の定量解析法"日本機械学会論文集 (B編). 67-658. 1563-1570 (2001)

[Publications] 湯山亮, 近久武美, 菱沼孝夫: "エントロピー法によるディーゼル噴霧内の拡散構造解析"日本機械学会論文集 (B編). 68-667. 68-667 (2002)

[Publications] T. Chikahisa, Y. Hishinuma, H. Ushida: "Mixing Conditions with Spray-Jet Interaction for Effective Soot Reduction in Diesel Combustion"International J. of Automotive Technology. 3-1. 17-25 (2002)

[Publications] R. Yuyama, T. Chikahisa, K. Kikuta, Y. Hishinuma: "Entropy Analysis of Microscopic Diffusion Phenomena in Diesel Sprays"The 5th Int. Symp. on Diagnostics and Modeling of Combustion in Internal Combustion Engines (COMODIA). (CD-ROM)542-550 (2001)

[Publications] 金子友海, 菱沼孝夫, 近久武美: "非定常噴流拡散火災の成長過程におけるNOx生成量変化"日本機械学会2001年年次大会講演論文集. 483-484 (2001)

[Publications] 金子友海, 近久武美, 菱沼孝夫: "非定常噴流火災長さとNO量に関する数値シミュレーション"日本機械学会北海道支部第41回講演会講演概要集. 144-145 (2001)

[Publications] 金子友海, 近久武美, 菱沼孝夫: "非定常噴流拡散火災の成長過程におけるNOx生成量変化 (予測と実験結果の相異とその解釈)"第39回燃焼シンポジウム講演論文集. 259-260 (2001)

[Publications] 湯山亮, 近久武美, 菱沼孝夫: "エントロピー法による衝突噴霧内の拡散構造解析"日本機械学会2001年度熱工学講演会論文集. 115-116 (2001)

近久武美北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00155300)