2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 充弘 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10229578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 英信 京都大学, 工学研究科, 助手 (00273467)
牧野 俊郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (30111941)
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Keywords | 固体熱伝導 / フォノン / 格子振動解析 / 分子動力学 / ウェーブレット解析 / 接触熱抵抗 |
Research Abstract |
本研究は、薄膜素子や組成傾斜材料など不均質固体の熱伝導特性の制御や予測を目的としている。本年度は、格子振動(フォノン)伝搬の観点から固体熱伝導の機構を解明しするため、モデル系としてLennard-Jones粒子のFCC結晶を用いた分子動力学シミュレーションと格子振動解析を行い、次の結果を得た:(1)粒子質量、粒子間相互作用、格子定数などの異なる結晶界面において、格子振動が伝わりにくくなる現象を定量的に調べ、界面でのエネルギー流束の透過・反射が単純な音響理論では説明できないことを見出した。結果として生じる接触熱抵抗(界面での温度ジャンプ)と各種界面パラメタとの相関をまとめた。(2)粒子の座標・運動量データをウェーブレット解析することにより、固体熱伝導理論の構築に必要となるフォノンの寿命や平均自由行程を、モード(振動数、波長)の関数として評価する手法を開発した。純物質からなるLennard-Jones完全結晶に適用した結果、三重点温度より十分低温での平均振動寿命は周期の20-40倍程度、また平均自由行程は波長の2倍程度であることを見出した。さらにこの手法を2元混合結晶系に適用し、混合比依存性を調べた。
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Research Products
(1 results)