2001 Fiscal Year Annual Research Report
濃度匂配の時間的非定常変化に対するTriple Flameの挙動
Project/Area Number |
12650212
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
溝本 雅彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60051710)
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Keywords | Triple Flame / 濃度勾配 / 予混合火炎 / 拡散火炎 / 燃焼速度 / 燃焼強度 / OHラジカル / 非定常 |
Research Abstract |
任意に設定される燃料濃度勾配の大きさを幅広く変化させることで,二次元的に定住するメタン・空気Triple Flameの特性を明らかにした.本研究では設定される濃度勾配を表す指標として独自に無次元濃度勾配Cm/xmを定義した. まず得られた火炎の自発光及びOHラジカル発光強度を計測した.その結果OHラジカル発光強度と推定最大発熱量は,Cm/xm<2.5の緩やかな設定では変化が追従しないことがわかった.このCm/xm<2.5の範囲を予混合火炎を主に成り立っているTriple Flame領域(領域I)と定義した.次に可視炎の画像解析から火炎位置と火炎輝度分布,PIVを用いて火炎前縁の流れ構造,レーザトモグラフィを用いて火炎前縁の熱構造をそれぞれ測定した.火炎前縁の熱構造の変化などから判断して50.0〜59.0<Cm/xmの範囲を予混合火炎面の強度は弱く拡散火炎が支配的なTriple Flame構造(領域III)と定義した.最後に領域Iと領域IIIの間にあたる濃度勾配2.5<Cm/xm<50.0〜59.0を通常のTriple Flameが形成される領域IIとして定義した.この領域から領域IIIにかけてTriple Flameの燃焼速度は,理論式から導き出した燃焼速度よりも大きく,予混合火炎面と後流側の拡散火炎との熱的相互干渉の影響が存在し,濃度勾配が大きいほど燃焼強度が強められていることがわかった. また濃度勾配を急な状態から緩やかな状態へ過渡的に変化させたとき,その変化が火炎に到達してから火炎面が動くまでに時間差があることがわかった.これは拡散火炎と過濃予混合火炎がmergeによって干渉し,この影響が無くなる濃度勾配となるまで火炎面が動かないと説明できる.mergeの影響の存在境界は定常状態の火炎特性のからCm/xm=50.0〜59.0であり,この濃度勾配よりも大きいときに通常の伝播するTriple Flameとは違う構造の火炎へ遷移していると説明できる.従って上記で定義した領域IIから領域IIIへ,または領域IIIから領域IIへ濃度勾配が非定常に変動した場合,その燃焼制御は火炎挙動の時間遅れを考慮して行うべきである.
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Research Products
(2 results)