2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650236
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
川島 豪 神奈川工科大学, 工学部, 助教授 (70186089)
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Keywords | 救急自動車 / 運動制御 / 乗り心地 / 寝台 / 振り子 / 最適制御 / LQI制御 |
Research Abstract |
救急自動車がカーブを通過する際に生じる横力、加減速時に生じる前後力が寝台上の患者に与える負担を軽減するため、患者に作用する力を常に寝台と垂直方向に制御する強制振り子式寝台を開発した。まず、ローリングに関しては振り子機構を採用、ピッチングに関しては患者位置の変化による寝台の傾きを抑えることおよび救急自動車内のスペースを考慮してリンク機構を採用した強制振り子式寝台を設計し、最適制御理論を適用してフィードバック制御系を構築した。その際、患者が車酔いをしないよう振り子の回転中心を患者の重心に合わせるようにした。これにより制御系のロバスト性も期待することができた。次に、1/2スケールの強制振り子式機構を備えた寝台モデルを製作した。そして、ピックアップトラックの荷台に搭載して実際に走行し、その有効性を確認した。学内のロータリーを20km/h程度で180度旋回する場合と、校舎周りの4つの90度コーナーを断続的に旋回する場合の2ケースについて制御実験を実施した結果、以下の事柄が明らかにされた。 (1)ピッチングに関するリンク式振り子機構は寝台面上の前後力を50%程度抑えることを目標に設計されているが、振り子機構の採用によりアクチュエータにそれほど大きな負担がかからないことから、小さなアクチュエータで寝台面上の前後力をほぼ完全に制御できる。 (2)寝台面上加度を左右方向でl/6程度に、前後方向で1/5程度に抑制できる。 (3)パッシブな場合でも、加速度が大きく変化する際に遅れが生じるものの左右方向で20%程度、前後方向で70%程度に抑えられる。 (4)寝台面上に30kg程度の砂袋を載せても制御性能に大きな変化がみられず、システムにロバスト性がある。 (5)走行後に摩擦による定常偏差が残ることがあるが、停車時に積分制御を加えることで定常偏差を抑えられる。
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