2000 Fiscal Year Annual Research Report
能動操作器を用いた教示操作量の力覚表示による技能習熟支援システム
Project/Area Number |
12650248
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
末長 修 静岡大学, 工学部, 助教授 (90126780)
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Keywords | 人間-機械系 / 技能習熟支援 / 操作・制御 |
Research Abstract |
被訓練者の制御技能レベルに依存するだけでなく,訓練負担の軽減を図るために,心理状態(心的負担)をも考慮した教示操作量の総合方法を検討した. まず,従来の1自由度の能動操作器(回転つまみ+サーボモータ)を用いて構築してきた支援方策が多自由度の能動操作器(市販の力覚機能を有するジョイスティック)にも適応できることを,実験的に確かめた.ただし,訓練作業はディスプレイ上を8の字を描くように動く目標をパーソナル・コンピュータにより発生させ,これをジョイスティックの2次元操作により追跡する作業とした. つぎに,手動制御時における心的動揺度に関する基礎解析を行うために,被訓練者の皮膚電位反射(GSR:Galvanic Skin Reflex)を測定した.ただし,制御作業は上述のものと同様であり,また力覚教示は行っていない.その結果,GSRを目的変数に,そして訓練状況を表す種々の変数を説明変数に用いた重回帰分析より,主としてジョイスティックの縦方向の操作時で心的動揺が生じる可能性を見出した.これは人間の手首の構造(骨格等)からもほぼ妥当な結果であると思われる.しかしながら,GSRの波形(数値)には個人差が大きく存在することもわかった.そのため,どのように心的動揺度を考慮した教示操作量に調整するかのといった問題までを解決することはできなかった.これらは来年度の検討課題であるともに,研究計画として,GSRを測定し,その値をもとに実時間で力覚教示量を総合するという支援方法の他に,今回の実験のように,まずGSRによりどのような制御状況が被訓練者に心的動揺を及ぼすのかを明らかにした上で,訓練時にそのような状況が現れたときに,教示操作量を調整するといった支援方法の検討も要すると考えられる.
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