2000 Fiscal Year Annual Research Report
振動粒子の凝集促進作用を援用したサブミクロン粒子の電気集塵法
Project/Area Number |
12650261
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中島 耀二 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70002029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 孝 北海道工業大学, 電気工学科, 教授 (90048025)
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Keywords | 電気集塵 / 静電凝集 / サブミクロン粒子 / 凝集速度定数 / 高次分極力 / 音響流 |
Research Abstract |
交付申請書に記載した実施計画は達成できたと考える.実験計画の項目ごとに説明する. 1、凝集速度定数に及ぼす流体力学的効果の解析:振動する捕集核粒子(あるいは振動流中の粒子)の周りに発生する音響流が遠方の微粒子を捕集核付近に運搬し,捕集核と微粒子の静電的相互作用による凝集を促進する.従来,振動振幅が捕集核半径より大きな場合の音響流は解析されていなかったが,この研究では大振幅の場合が必要になるため振動流Oseen近似による新しい解を見出した.この解の妥当性の確認実験を計画している. 2、凝集速度定数に及ぼす静電気力の効果の評価:分極力を無視した場合の計算がFuchsによってなされているが,振動する捕集核と微粒子の衝突断面積を計算する目的には高次の分極力も考慮する必要があり,これをRe-expansion法と呼ばれる新しい手法で解析した.捕集核と微粒子が接近すると高次の分極力の寄与が顕著になり,衝突断面積は分極力を考慮しないときの数倍に及ぶ場合のあることが予測された. 3、凝集実験:新規に購入した機器にコンピューター制御を施し,実験装置を整備した.多くの予備実験を実施した結果,いくつかの問題点が明らかになり対策を講じた.その主なものは,(1)サブミクロン粒子の濃度の安定化-サブミクロン粒子の帯電による付着損失が濃度を不安定化することがわかり,高周波バリア放電による除電器を装置に組み込んで解決した.(2)サブミクロン粒子の残留電気量の測定-サブミクロン粒子の電気量は凝集速度に強く影響するので捕集核の粒径増加と電気量変化から求める計画であったが,波形記憶装置の位相特性が変動するため必要な精度が出せない.当面,位相校正を頻繁に行って出来る限りの信頼性を確保することにした. 現在までの予備実験により大きな問題点はすべて洗い出せたのでこれから本実験に入る.
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