2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650265
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
鈴木 光政 宇都宮大学, 工学部, 教授 (40091706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船渡 寛人 宇都宮大学, 工学部, 助手 (60272217)
長澤 武 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (10118440)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 超伝導薄膜 / 電力ケーブル / スパッタリング |
Research Abstract |
高温超伝導体ケーブルの基礎特性を得るため、その基盤となる薄膜試料をスパッタ法により作製し、高品位薄膜の生成条件を検討した。ターゲットには、Y-Ba-Cu-O(YBCO)及びNd-Ba-Cu-O(NdBCO)の焼結体を使用し、純酸素ガス中におけるdcスパッタリングにより、加熱されたMgO(100)単結晶基板上に薄膜を育成した。試料の結晶相の同定、格子定数、配向性をX線回折法から解析し、また超伝導臨界温度T_cを四端子抵抗法により測定した。その結果、YBCO薄膜で90-91Kのゼロ抵抗臨界温度T_cが得られた。高T_c特性を発現する薄膜の合成温度と酸素ガス圧は、900-920℃及び260Paであり、基板面にc軸配向したYBCO相が生成された。合成温度が860℃より低くなるとa軸配向が優勢になり、840℃ではc軸配向領域からのX線反射は見られなくなった。他方、920℃より高温になると、c軸配向であるにも拘わらず45°面内回転した結晶粒(45°結晶粒)が現れ、温度の上昇とともにその比率は増加した。このような薄膜組織と臨界電流密度との関係は、今後の課題の一つである。バルク材料の結果から、YBCOより高T_c特性が期待されるNdBCOの薄膜も、ほぼ同様のT_cを示した。しかしながら、適切な酸素ガス圧はより高く、350Paを必要とした。YBCO薄膜作製の場合と異なり、薄膜作製直後に行うポストアニールは、遷移特性を劣化させることが明らかとなった。より高いT_cのNdBCO薄膜を実現させるためには、ターゲットの組成等を検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)