2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650266
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
千葉 政邦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20011140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁田 旦三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40026266)
日高 邦彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90181099)
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Keywords | 超伝導 / 電気絶縁 / 極低温液体 / 沿面放電 / 沿面火花電圧 / 固有容量 |
Research Abstract |
超伝導応用機器は極低温冷媒中かつ高電圧下で使用されることが想定されるので,冷媒中の電気絶縁技術の確立が不可欠である。特に,固体絶縁体の表面を進展する放電による沿面火花電圧は絶縁設計上不可欠の情報である。本研究では冷媒として液体窒素と液体ヘリウムを使用し,絶縁体は数種類の絶縁材料をパイプ状に成型し,その表面に高電圧と接地電極を取り付け,この電極間(ギャップ長)で生じる沿面火花電圧を測定した。なお,パイプ状絶縁体内部には背後電極が挿入されており,沿面放電が特に発生進展しやすい構造としている。電圧は交流および直流電圧である。本年度の成果は次のとおりである。 1.何れの絶縁体においても,ギャップ長の増加に対する沿面火花電圧の上昇は僅かである。すなわち,ギャップ長に対して沿面火花電圧は著しい飽和性を有する。 2.絶縁体と沿面火花電圧は固有容量で関係付けられた。固有容量が大きい絶縁体ほど沿面火花電圧が低くなる。固有容量は絶縁材料の誘電率と形状から算出できる。すなわち,固体絶縁物の材質と形状から沿面火花電圧が推測できるのである。 3.液体窒素中と液体ヘリウム中での沿面火花電圧を比較すると,液体ヘリウム中の交流沿面火花電圧は液体窒素中の約2/3,直流沿面火花電圧は約1/2である。液体窒素中での直流沿面火花電圧は負極性の方が高いが,液体ヘリウム中では逆に正極性の方が高くなる。この極性効果は液体ヘリウムの"電子バブル"で説明できる。 4.液体窒素中,および液体ヘリウム中においては,各絶縁体とも直流沿面火花電圧は交流沿面火花電圧よりも高い。直流沿面火花電圧が高い理由として絶縁体表面に付着する電荷の作用と推測している。 5.放電によって気泡が発生するが,気泡の挙動はグレージェント力で説明できた。
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Research Products
(2 results)