2001 Fiscal Year Annual Research Report
出力電圧歪みの無い軸発電システムの開発とその特性研究
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12650293
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
西方 正司 東京電機大学, 工学部, 教授 (80092568)
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Keywords | 船舶 / 発電装置 / 軸発電システム / 電圧歪み / 高調波除去 / 相互誘導を持つリアクトル / 過渡特性解析 / 周波数・電圧一定制御 |
Research Abstract |
本研究は,原理的に歪みの全く無い正弦波電圧を出力し得る,構成の簡単な新しい軸発電システムを提案・開発するとともに,同システムの定常並びに過渡特性を理論的に解明することにより,実用的かつ高性能な軸発電システムの実現を目指すものである。軸発電システムを実際に動作する場合,出力の電圧や周波数を常に一定に保つための制御を行う必要があり,制御系の特性改善や安定性の確保にあたっては,システムの過渡特性を把握することが必要となる。本年度は,負荷や主推進軸の回転速度が変動した場合などの過渡時の特性を表現できるシステム各部の諸量の過渡方程式を導出するとともに,これらを基に種々な過渡応答特性を理論的に解明して,システムの種々なパラメータの応答特性に及ぼす影響を明かにした。研究成果を要約すれば,次のようになる。 1.機械系を含めたシステム全体の過渡方程式を導出し,これをシミュレーションブロック図に表現した。その結果,本システムは5次の非線形系で表現されることが判明した。 2.シミュレーションブロック図を基にフィードバック制御をしない開ループ制御時の,直流電源電圧及びインバータ制御進み角変化時の過渡特性をシミュレートした結果,これらの諸量が増加した場合,システムの出力周波数及び出力電圧が増加することなどが明らかとなった。 さらに,3.出力周波数及び出力電圧を一定に制御する閉ループ系を構成する場合,インバータの制御進み角及び界磁電圧の操作量としての選定法により,二種類の系が考えられるが,出力電圧の制御性などの点から出力電圧制御するための操作量として界磁電圧を用いる系が優れていることなどが明らかとなった。 なお,これらの研究結果は何れも供試システムを対象に実験的検討を実施し,理論の妥当性の確認を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山下健一郎, 西方正司 他2名: "軸発電システムの電力系統との並列運転に関する研究"電気学会 回転機研究会. RM-01-122. 89-94 (2001)
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[Publications] S.Nishikata 他2名: "Control Strategy for Reducing Inrush Current in Three-Phase UPS Systems"European Conference on Power Electronics and Applications. EPE'01. 1-8 (2001)
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[Publications] 名取 勉, 西方正司 他2名: "磁気飽和を考慮した自励式交流発電機システムの特性解析"電気学会 回転機研究会. RM-01-121. 83-88 (2001)