インテリジェントアクティブパワーフィルターに関する研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12650295
• Research Institution: Aichi Institute of Technology
• Principal Investigator: 植田 明照 愛知工業大学, 工学部・電気工学科, 教授 (50267887)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 鳥井 昭宏 愛知工業大学, 工学部・電気工学科, 助教授 (70267889)
• Keywords: アクティブフィルター / 高調波検出 / ディジタルシグナルプロセッサ / pq理論 / 移動平均 / 無効電力補償 / 逆相電流補償

Research Abstract

三相回路の高調波検出には三相/二相変換をするpq理論が良く用いられるが、その際に高調波分を抽出するところにハイパスフィルタ(HPF)が必要であり、HPFの性能が検出器の性能を規定する重要な要素である。本研究では制御にディジタルシグナルプロセッサ(DSP)を用いて、高性能化を図っている。そして、ディジタル処理に適した検出方法として、移動平均演算を用いて瞬時有効電力、瞬時無効電力の直流分を求め、その値を元の値から差し引いて交流分を求めることによりHPFを構成する。これにより、従来のHPFでは困難であった、高精度と高応答の両立を図る。また、アクティブフィルタには、高調波補償のみでなく無効電力や逆相電流成分(三相不平衡成分)がある場合の補償も兼ね備えた機能を要求されるようになって来ている。このような高機能化に対応できるアクティブフィルタの制御方式の研究を行っている。
高調波の検出には負荷電流検出と電源電流検出があるが、その両方法において、高調波のみを補償する場合と高調波と無効電力を補償する場合の特性を実験装置により検討した。その結果、例えば電源電流検出方式で無効電力と高調波を同時補償する場合に、本方式では高調波補償率66%、負荷変動時の過渡応答時間は20msで、従来方式での補償率63%、過渡応答時間42msと比べて優れていることを明らかにした。また、逆相分を有する負荷の場合の補償について実験した結果、逆相電流と高調波を補償する特性において、補償率と過渡応答ともに良好な特性が得られた。その結果、本方式は高調波のみならず、無効電力補償、逆相電流補償などの多機能化にも有効であるとの見通しを得た。

Research Products

• [Publications] Y.Oonc: "Compensating Characteristic of Both Harmonic Currents and Reactive Power by an Active Filter Using Moving Average HPF"Proceedings of International Power Electronics Conference. Vol.3. 1478-1483 (2000)
• [Publications] 大八木淳史: "移動平均HPFを用いたアクティブフィルタの逆相電流補償"平成13年電気学会全国大会. 4. (2001)