2001 Fiscal Year Annual Research Report
電子注入によるナノスケール結晶化強磁性ドットの作製と磁気特性評価
Project/Area Number |
12650300
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Research Institution | Faculty of Engineering and Resource Science, Akita University |
Principal Investigator |
石尾 俊二 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (90134006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 準 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (00270843)
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Keywords | 電子注入 / 磁気力顕微鏡 / 強磁性ドット / 磁区構造 / 磁気記録媒体 |
Research Abstract |
「電子注入によるナノスケール結晶化強磁性ドットの作製と磁気特性評価」の研究計画の各項目に従い、以下の研究を行った。 (1)磁性ナノドットの作製と形成機構の検討 結晶質FePt, CoCrPt等を試料として、磁性ドツト、細線の形成条件と機構解明の実験を行った。(a)磁性ドットの最小ドット径は50nm、細線の最小幅は100nmであった。なおドット径・線幅は印加電圧の調整によって更に微細な形状が作製可能である。(b)CoCrPt面内磁気記録媒体に電子注入による微小ドットを形成し、磁気力顕微鏡によって磁区構造を観察した。その結果、電子法入によって磁区構造が変化し、ドットが磁気ピンニングサイトとして磁化特性に影響を及ぼすことが明らかになった。(c)電子注入機構は基本的にはパルス電圧印加による大気放電とジュール加熱である。しかし、同時に薄膜の局所酸化、ドット形成に大きく影響し、Fe系薄膜では低電圧でドットが形成できるが、Co系薄膜では高電圧が必要であることが明らかになった。 (2)ナノスケール強磁性ドットの磁気観察法の開発と評価 磁場中磁気力顕微鏡観察を行うための面内印加磁場装置を製作した。最大6kOeの印加磁場のもとでシンセティックフェリ磁性媒体の磁化過程の観察を行い、高磁場での磁区観察が可能であることを確認した。また磁気力顕微鏡観察において10nm以下の分解能が達成された。 (3)微細磁区構造の観察とシミュレーションによる磁化状態解析 (a)記録媒体ノイズの主要因は、磁化の渦構造(Vortex)による磁極の喪失と星型磁化構造による磁極の湧き出し(divM)である。(2)700kfciが記録可能なシンセティックフェリ面内媒体や垂直磁気記録媒体中の磁気渦構造、星型磁化構造は直径80nm以下の微細な大きさを有する。 (4)電子ビームリソグラフィーによる微細加工パターンの作製と磁区構造評価 垂直磁気異方性を有するCoPd人工格子薄膜を電子ビームリソグラフィーによる微細加工によって作製した。微細加工時のパターンサイズと分布のドット磁区構造に与える影響を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 斉藤準, 石尾俊二: "磁気力顕微鏡を用いた微細磁区構造解析法およびその高質度磁気記録媒体への適用"日本応用磁気学会誌. 24・9. 1221-1228 (2000)
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[Publications] S.Ishio, N.Mori, H.Saito: "Magnetic anisotropy field Hk and domain structure in Llo Fe_xP_<1-x> films"J. Magn. Magn. Mater. 235. 148-152 (2001)
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[Publications] S. Ishio, N. Mori, H. Saito: "Giant magnetoresistau effect in Lio ordered FePt films"J. Magn. Magn. Mater. (in press). (2002)
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[Publications] 高星英明, 斉藤準, 石尾俊二: "磁場中MFMを用いた面内磁気記録媒体における磁気クラスの観察"日本応用磁気学会誌. (印刷中). (2002)