2000 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化ナノ構造磁性体-非磁性誘電体複合薄膜の超高感度トンネル磁気抵抗効果
Project/Area Number |
12650311
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
井上 光輝 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (90159997)
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Keywords | トンネル磁気抵抗効果 / ナノスケール磁性構造体 / 斜めスパッタ法 / 磁性グラニュラー薄膜 |
Research Abstract |
斜めスパッタ法で形成されるナノスケール磁性構造体の形成条件、磁気特性の解明を試みた。マグネトロンスパッタ法を用いた斜めスパッタリングにより形成されるFeNi薄膜は、高さ・間隔とも概ね10nm程度の構造を自己組織化的に形成するが、その再現性向上と構造誘起の一軸磁気異方性との関係を探求した。その結果、Fe、Ni、Co、FeNi合金等、磁性薄膜の種類により誘導される異方性が大きく変化することを見出した。XRDによる結晶構造解析から、各々の薄膜試料の配向状態が試料によって大きく異なり、結晶磁気異方性と形状効果による磁気異方性との関係でナノスケール構造体の磁気異方性が決定されることを見出した。現在より定量的な検討を進めている。 斜めスパッタFeNi薄膜を下地層とするCo-Sm-Oグラニュラー薄膜のトンネル磁気抵抗効果(TMR)を調べたところ、グラニュラー膜の下地層に上述のナノスケール磁性体を用いることで、約200倍に達するTMR磁場感度向上に成功した。 現在、これらの知見を踏まえ、RFイオンビームスパッタリングによるナノスケール磁性体の形成、並びに非磁性体との組み合わせによる高感度TMR試料の作製を試みている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山内慎也,井上光輝,藤井壽崇,篠浦治: "斜めスパッタ薄膜下地層を用いたグラニュラー薄膜の軟磁性化"日本応用磁気学会誌. 25(印刷中). (2001)
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[Publications] S.Yamauchi,M.Inoue and T.Fujii: "Tunneling Magnetoresistance effect of Co-Sm-O granular films deposited on FeNi Films with nano-furrow structures formed by oblique sputtering"Abstract of EMMA-2000. We-PA108 (2000)
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[Publications] S.Yamauchi,M.Inoue,T.Fujii and O.Shinoura: "Soft tunneling magnetoresistance effect of Co-Sm-O granular films deposited on FeNi Obliquely sputtered films"Digest of the 8^<th> Intern.Conf.Ferrigtes (Invited paper). 1-19 (2000)