2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650332
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
柏葉 安兵衛 岩手大学, 工学部, 助教授 (30003867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 守 岩手大学, 工学部, 教授 (20111239)
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Keywords | CdS / p形CdS / XPS / ダイオード / 発光ダイオード |
Research Abstract |
本研究は、エネルギーバンドギャップが2.4eVで直接遷移型のバンド構造を持つ、硫化カドミウム(CdS)薄膜を用いた緑色発光ダイオードの作成を目的としている。 CdSはp形に出来ないと言われてきたが、我々は銅(Cu)をドーピングしたCdS蒸着膜(CdS(Cu)膜)がp形特性を示すことを報告した。しかし、CdS(Cu)膜のp形特性は、Cu_2Sのような低抵抗p形物質が新たに生じたためでないかという疑問があった。本研究では先ず、CuをドーピングしたCdS膜におけるCuの役割を調べた。X線光電子分光法(XPS)を用い、元素のdepth profileとオージェパラメータを測定した。さらにX線回折、高分解能電子顕微鏡による元素分析等の結果と合わせて検討し、CuはCdS中でCu^+の状態でCdと置換し、アクセプタとして振る舞っていることを明らかにした。結果をICSFS-10(Princeton,2000,7)で発表した。内容は、Applied Surface Scienceに掲載予定である。 次に、p形CdS(Cu)膜にn形CdSを連続蒸着することにより、直径1.1mmのCdS pnホモ接合ダイオードを作成した。ダイオードは整流特性、光起電特性を示した。予想通り、L-N_2中で順方向パルス電流によって緑青色-赤色発光が得られた。発光色はCuの量と関係があった。スペクトルは、CdSの吸収端から800nm付近までブロードであった。CdSの自己吸収によって吸収端付近の発光は減衰していることがわかった。また、I-V、C-V特性も測定した。購入したHe-Cdレーザを用い、CdS及びCdS(Cu)膜のフォトルミネッセンスを測定している。スペクトルはCuのドーピング量によって変わる。ダイオードのスペクトルとの関係を検討中である。これらの結果は、順次学会等で発表の予定である。
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Research Products
(1 results)