2001 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴トンネルカオスデバイスを用いた超高周波信号生成・処理技術の研究
Project/Area Number |
12650344
|
Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
前澤 宏一 名古屋大学, 工学部, 助教授 (90301217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 孝 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70273290)
|
Keywords | カオス / 共鳴トンネル / HEMT / InGaAs / InP / MMIC / 分周器 / 分岐 |
Research Abstract |
平成13年度は計画に基づき、主として超高周波におけるカオス生成の実証と共に、最も現実に近い応用として分周器の超高速動作確認を目的として研究を進めた。高周波動作のためには共鳴トンネル素子、容量、インダクタの集積化が不可欠であり、また、測定系の影響を除くために出力バッファとなるHEMTとの集積化も必要である。これは寄生抵抗や浮遊容量をできるだけ低減した形で行わなければならない。このために必要なデバイス構造、プロセスの検討を行い、高精度な共鳴トンネルダイオード、高電子移動度トランジスタの集積化技術を確立した。また、前年度までの理想的な系におけるシミュレーションとは異なり、コンタクト抵抗やインダクタの抵抗成分など寄生成分を考慮した現実的なシミュレーションを行い、集積化に適した回路パラメータを明らかにした。ここにおいて、カオス生成に適した回路パラメータと、分周動作に適した回路パラメータが存在することを明らかにした。 これらの検討結果を受けて集積回路を試作した。その結果、50GHzという従来にない高周波においてカオス信号を観測できた。しかし、現状ではサンプリングオシロスコープによる波形の観測とスペクトルアナライザによる周波数成分の測定にとどまっており、今後、リアプノフ指数の測定など、カオス信号についてさらに詳しく調べる必要がある。また、分周動作としても50GHzにおいて1/3、1/4分周動作を確認した。この動作周波数は出力バッファに用いたHEMT(ゲート長1.2μm、fT18GHz)によって律速されており、ゲート長の短縮により、500GHz以上の高周波動作も期待できる。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Y. Kawano, Y. Ohno, S. Kishimoto, K. Maezawa, T. Mizutani: "High-Speed Operation of a Novel Frequency Divider Using Resonant Tunneling Chaos Circuit"Jpn. J. Appl. Phys.. 41(掲載決定). (2002)
-
[Publications] Y. Kawano, Y. Ohno, S. Kishimoto, K. Maezawa, T. Mizutani: "50 GHz Frequency Divider Using Resonant Tunneling Chaos Circuit"28th Int. Symp. Compound Semiconductors. 28(Late news). (2001)
-
[Publications] Y. Kawano, Y. Ohno, S. Kishimoto, K. Maezawa, T. Mizutani: "High-Speed Operation of a Novel Frequency Divider Using Resonant Tunneling Chaos Circuit"2001 Int. Conf. Indium Phosphide and Related Materials. 13. 236 (2001)