2000 Fiscal Year Annual Research Report
全Si光集積回路を目指したSi光スイッチ実現可能性の基礎検討
Project/Area Number |
12650346
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
角南 英夫 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (10311804)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 新 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (80144880)
|
Keywords | モノリシック光配線 / 光スイッチ / 自由電子吸収 / 櫛形MOSトランジスタ / 結晶方位依存異方性エッチング / 消光比 |
Research Abstract |
本研究の目標たる光スイッチは、シリコン中自由電子による赤外光の吸収メカニズムに基づいている。波長が長いほど吸収は大きいが、光ファイバー通信に最もよく用いられる光の波長1.55μmでは本質的に自由電子の吸収は小さい。したがって、効率よく吸収を起こすためには、自由電子を高濃度に発生できる構造が不可欠となる。 そこで、櫛形のMOSトランジスタ構造を提案し、まずビーム(梁)状の櫛の歯内の自由電子濃度をデバイスシミュレーションによって算定した。これにより、ビームの幅は0.1μm以下が望ましいことがわかった。このとき自由電子濃度は10^<17>/cm^3となり、消光比3dBを達成するためには10cmの長さが必要なことがわかった。10cmではモノリシック集積回路には適用できない。 いっぽう、(111)面のエッチング速度が極度に遅いTMAH(テトラメチル・アンモニウム・ハイドライド)液を用いてシリコン(110)面のエッチング条件を探索したところ、TMAH濃度:10%、温度:75℃が適することがわかった。このとき、幅が0.05μm、ピッチが0.3μm、高さが1μmのほぼ完全に垂直な梁が実現できた。この梁のアスペクト比は20となる。 また、これに先だって、波長1.55μm、スポット径10μmのレーザー光を幅26μm、長さ2mmのシリコン単一梁に照射し、ほぼ30%が透過することを確認した。今後は、櫛形の梁にレーザー光を照射し、目標たるシリコン光スイッチの実現可能性を探る。
|
Research Products
(1 results)