2001 Fiscal Year Annual Research Report
符号木・探索木における競合的最適性と平均的最適性に関する研究
Project/Area Number |
12650364
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 博資 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (30136212)
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Keywords | 情報源符号化 / 符号木 / 探索木 / 競合最適符号 / 平均最適符号 / FV符号 / VF符号 / アルファベティック符号 |
Research Abstract |
本年度は、データ圧縮や木探索に用いることができる符号木に関して,下記のことを明らかにした。 1.VF符号(可変長-固定長符号)に関して 昨年度は,One-shot符号化におけるAIVF符号(Slmost Instantenious VF符号)の平均最適性と競合最適性に関して次のことを明らかにした.アルファベットサイズAがA=3以下の場合は、平均最適なAIVF符号は必ず競合最適であるが,4【greater than or equal】4の場合は,平均最適なAIVF符号が必ずしも競合最適になるとは限らない.本年度は,まず、上記の証明をシンプル化し,分かりやすい証明を与えた.また、One-shot符号化だけでなく、くり返し符号化におけるAIVF符号の平均最適性に関して研究を行った.その結果、複数の符号木を用いるAIVF符号が,従来最適とされていたTunstall符号よりも,平均的に優れた圧縮率を達成できることを明らかにし,そのようなAIVF符号の効率のよい符号構成アルゴリズムを与えた.さらに,FV符号対するクラフトの不等式に双対なVF符号対する不等式の導出,AIVF符号における葉や内節点の数とアルファベットサイズや符号語数の関係、平均符号語長と木の内部節点の確率重みとの関係など、関連する木符号化に関する幾つかの補助定理と符号化定理を証明した.これらをまとめて、学術論文誌に発表した. 2.FV符号(固定長-可変長符号)に関して 以前研究代表者が証明した「Huffman符号が競合最適符号となるための必要条件」が,「必要十分条件」であることを咋年度の研究で明らかにしたが,証明が複雑で分かり難いものであった.今年度は,Huffman符号に対する他のFV符号Cの符号語長が短くなる確率と長くなる確率の差を,その符号Cの競合優越指数として定義することにより,各FV符号のHuffman符号に対する競合的な優越の程度を評価できるようになった.その結果、この競合優越指数を用いることにより,見通しのよいシンプルな証明を与えることができた.
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Research Products
(1 results)