2000 Fiscal Year Annual Research Report
自律分散型マルチチャネル能動騒音制御システムの研究
Project/Area Number |
12650383
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
棟安 実治 広島大学, 工学部, 助教授 (30229942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 章充 広島大学, 工学部, 助手 (30294531)
雛元 孝夫 広島大学, 工学部, 教授 (50031141)
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Keywords | 能動騒音制御システム / 連立方程式法 / 自律分散型 / 適応フィルタ / DSPプロセッサ / マルチチャネル / 誤差経路 / 分散制御 |
Research Abstract |
「自律分散型マルチチャネル能動騒音制御システムの研究」に関連して平成12年度に得られた成果は以下の通りである. 1)連立方程式法によるマルチチャネル能動騒音制御システムの問題点の検討として,主として計算量に関する評価を行った.その結果,従来の連立方程式法をそのまま適用した場合,膨大な計算量が必要となることがわかった.そのため,周波数領域でアルゴリズムを実行するように方式を変更し,シングルチャネルの場合について,計算量の評価と性能の評価を行った.これにより,計算量は約90%以上減少させることができ,さらに有色性の強い参照信号に対して,システムの性能を向上させることが可能となった. 2)自律分散型マルチチャネル能動騒音制御アルゴリズムの基礎的検討では,当初外乱に強いシステム構造を導入することにより,制御器間を完全に切り離す完全分散型システムの実現を目指したが,所期の性能を得ることができなかった.そこで当初の計画通り,データ交換量と遅延を考慮しない部分分散型システムを前提として,連立方程式法の拡張を行った.その結果,初期状態のフィルタ係数と各誤差経路のインパルス応答を制御器間で交換することを前提とする分散型アルゴリズムの開発に成功した.シミュレーションにより検討を行った結果,収束性能は完全集中型に劣るものの,消音量としては,ほぼ所期の性能を得ることができることを確認した. 3)シングルチャネルの場合に関するDSPへの実装とその問題点については,実際のDSP(TI社製)にアルゴリズムの実装を行い,要求性能について確認した.その結果,ほぼ現行の浮動小数点型のDSPチップで,所期性能を満足できることが明らかになった. これらの成果から,今年度の研究目的はほぼ達成されたと考えている.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Muneyasu: "An application of the simultaneous equations method to hybrid active noise control systems"Proc.of WESTPRAC VII. Vol.1. 509-512 (2000)
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[Publications] K.Fujii: "Method to update the feedback control filter coefficients under active noise control"Proc.of WESTPRAC VII. Vol.1. 517-520 (2000)
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[Publications] 棟安実治: "マルチチャネル能動騒音制御システムへの連立方程式法の拡張"電子情報通信学会論文誌(A). Vol.J83-A,No.11. 1235-1243 (2000)
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[Publications] 棟安実治: "連立方程式法を用いたハイブリッド能動騒音制御システム"電気・情報関連学会中国支部第51回連合大会公演論文集. 53 (2000)
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[Publications] 棟安実治: "連立方程式法による新しいハイブリッド能動騒音制御システム"第9回計測自動制御学会中国支部学術講演会論文集. 178-179 (2000)
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[Publications] M.Muneyasu: "Hybrid active noise control systems based on the simultaneous equations method"IEICE Trans.on Foundamnetals. Vol.E84-A,No.2. 479-481 (2001)