2000 Fiscal Year Annual Research Report
回路シミュレータ作製のためのアルゴリズム構築に関する研究
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12650384
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
牛田 明夫 徳島大学, 工学部, 教授 (20035611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 万規子 神奈川工科大学, 電気電子工学科, 助教授 (30329304)
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Keywords | 非線形回路の数値解析 / 回路シミュレーション / 分布定数回路 / RF回路の定常振動解の求解法 / 数値解析 / アナログーディジタル混在回路の解析 / 非線形電子回路の定常振動解の解析 / 高速信号処理回路の解析 |
Research Abstract |
汎用性のある回路シミュレーションの開発を目的とした本研究では、SPICEの機能を積極的に利用することにした。なぜなら、SPICEには回路図入力,直流解析、交流,過渡解析などの基本的なソフトが完備していることと、波形の処理を含めた表示機能が整っているため、企業などで広く用いられているからである。まず、定常周期解の求解法として、寄生素子を含む回路に適用した。従来、状態変数としてキャパシタ電圧やインダクタ電流が選ばれるが、寄生素子を考慮するとその数は膨大なものとなり、演算効率が大きく低下する。そこで、寄生素子以外のものに注目した求解法を開発した。また、複数個の解を持つ直流解の求解法として、解曲線追跡法に基づいたニュートンホモトピー法を提案し、回路上でそれを実現した。これによって、回路方程式を誘導する必要がなく簡単に複数個の解を追跡できるシミュレーターを開発した。初期値は任意に設定できるために、全解探索にも用いられる。これを代数方程式の求解に拡張する予定である。伝送線路に関するシミュレーターの開発としては、漸近的な等価回路を用いる手法を開発した。従来からモーメントマッチング手法が提案されていたが、この問題点を指摘し、より信頼性のある近似解法を開発した。これは等価回路を与えられた回路に組み込むだけであり、SPICEとの親和性もよく簡単にどのような回路にも適用できる。この等価回路は従属電源を有し、これによって、端末からの反射や遅延の効果が正確に求められると云う特徴を持っている。従来から多くの解析手法が提案されているが、実用性、汎用性で問題があった。しかしながら、我々の開発したシミュレーターは特に汎用性の点で優れている。今後、これを不均一伝送線路にも拡張して行く予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Matsuda: "Steady-state response of nonlinear circuits containing parasitic elements"EICE Trans.Fundamentals. Vol.E83-A. 1023-1031 (2000)
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[Publications] 木内一慶: "ニュートンホモトピー法を用いた直流回路のSPICEシミュレーションについて"信学技法、NLP2000. vol.100,no.50. 35-42 (2000)
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[Publications] 占部弘治: "分布定数回路の漸近的等価回路について"信学技法、NLP2000. vol.100,no.94. 15-22 (2000)
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[Publications] A.Ushida: "An efficient algorithm for finding multiple de solutions based on SPICE oriented Newton homotopy method"ISCAS'2001. (in press). (2001)