2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650399
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大石 進一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20139512)
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Keywords | 精度保証付き数値計算 / IEEE754 / クラスター上の高速計算 / 連立一次方程式の精度保証 / 固有値問題の精度保証 / 一般化固有値問題の精度保証 |
Research Abstract |
数値計算結果の精度を数値計算により数学的な意味で厳密に導出することを精度保証付き数値計算という。高速というのは、与えられた計算環境の中で、数値解を計算するのとほぼ同じ計算時間で精度保証できることをいう。本課題では、すべての数値計算の基礎となる線形代数の問題について、ほとんどすべての問題について高速精度保証が可能であることを示すとともに、具体的なアルゴリズムを示して、可能ならばパッケージに実装することを目的として行われた。本年度は最終年度であり、4年間にわたる研究を集大成し、多くの線形代数の問題について、当初の目的を達した。以下具体的にその成果を述べる。 (1)基本的な原理としてベクトル区間演算のアイディアを提唱し、メモリ階層を利用した高速な数値計算パッケージをそのまま利用して精度保証する方式を確立した。これにより以下の成果を得た。 (2)連立一次方程式の高速精度保証法:蜜行列を係数行列として持つ連立一次方程式については計算量がガウスの消去法と同じとなる精度保証法を与えた。また、この方法を改良して、PCクラスターにより3万次元の蜜行列を係数行列にもつ連立一次方程式の精度保証が可能であることを実証した。 (3)標準固有地問題及び一般化固有地問題のすべての固有値の精度保証が近似固有値と近似固有ベクトルをすべて求めるのほぼ同じ計算時間で行えることを実証した。例としては1万次元の1行列のすべての固有値の精度保証が行えることを示した。 (4)線形計画問題のパッケージを利用して、線形計画問題の目的関数の最大(小)値を主問題と双対問題を解くことにより可能なことを示した。そしてこれを2時計画問題等の一般の問題にも拡張できることを示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Ogita, S.Oishi, Y.Ushiro: "Computation of Sharp Rigorous Componentwise Error Bounds for the Approximate Solutions of Systems of Linear Equations"Reliable Computing. vol.9, no.3. 229-239 (2003)
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[Publications] 相馬 隆郎, 大石 進一: "精度保証付き数値計算法を用いた常微分方程式の全解探索アルゴリズム"電子情報通信学会論文誌. Vol.J86-A, No.6. 663-673 (2003)
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[Publications] 丸山 晃佐, 荻田 武史, 中谷 祐介, 大石 進一: "実対称定値一般化固有値問題のすべての固有値の精度保証付き数値計算法"電子情報通信学会論文誌. (未定). (2004)
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[Publications] Ken'ichiro Tanaka, Sunao Murashige, Shinichi Oishi: "On Necessary and Sufficient Conditions for Numerical Verification of Double Turning Points"Numerische Mathematik. (to appear). (2004)