2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650414
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
BRATESC M.A. 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70312379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 善行 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70301942)
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Keywords | レーザ分光 / エヴァネセント波 / 検出限界 / レーザアブレーション / 励起粒子 / 密度 / プラズマ診断 |
Research Abstract |
初年度は測定系の構築および動作確認を目標とし、下記2種類のレーザ分光法を用いて、プラズマ中の微量励起原子密度を測定(〜10^6cm^<-3>)することに成功した。 1.レーザ衝突誘起蛍光法の開発 一般に、プラズマ発生容器の内壁近傍の励起原子密度はかなり低い。内壁から300nm(検出用レーザダイオード波長の半分程度)付近に存在する励起原子密度を測定するためにエヴァネセント光によるレーザ衝突誘起蛍光(Laser Collisionally Induced Fluorescence)測定系を構築した。測定では、Xeプラズマ中のXe(1s_5)原子を対象とし、レーザダイオード光をプラズマ容器に取り付けたプリズムに全反射するよう入射し、プリズム表面より内壁へわずかにしみ出るエヴァネセント光により、内壁近傍のXe(1s_5)原子のみを光学遷移させ、それらが下方遷移時に発する光をフォトダイオードの位置を変えながら高感度(S/N〜100)検出した。この手法により、従来の他手法による報告に比べ一桁程度感度のよい測定が可能となった。 2.レーザ吸収分光法による診断 本手法では励起原子の絶対密度を測定できる。設備備品として購入したボックスカー積分器を組み込み装置の再構築を行った。測定対象はレーザアブレーションによりターゲットから発生する炭素プルーム(原子・分子群)中の炭素励起原子および雰囲気ガスであるアルゴン励起原子とし、時空間分解測定(時間分解能〜50ns、空間分解能〜0.3mm)を行った。結果として、励起原子の空間密度分布が得られ、ターゲット表面より約2mm上方の中心部において励起原子は最大密度を取ることが明らかになった。さらに吸収スペクトル幅より炭素プルーム中の電子密度を測定した。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] M.A.Bratescu, 須田善行,酒井洋輔,G.Musa: "プラズマ変調レーザ吸収分光法によるXe/He混合ガスバリア放電プラズマ中のXe(1s_5)密度の測定"電気学会論文誌. A-121・5(印刷中). (2001)
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[Publications] M.A.Bratescu, Y.Sakai and T.Kamada: "Atomic nitrogen and oxygen density measurements in low-pressure dc ischarge"Program of the 53rd Annual Gaseous Electronics Conference, ETP. 062. 45・6. 31-32 (2000)
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[Publications] M.A.Bratescu, Y.Sakai, Y.Suda and M.Mizuno: "Spatial distribution of excited C and Ar concentration in laser ablation carbon plume in Ar filling gas"Program of the 53rd Annual Gaseous Electronics Conference, ETP. 063. 45・6. 32 (2000)
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[Publications] Y.Sakai, M.A.Bratescu, Y.Suda and M.Mizuno: "Measurement of Ar (1s_2) population in a carbon plume excited by ArF excimer laser using a laser absorption method"IEEE Conference Record-Abstracts The IEEE International Conference on Plasma Science, 2P19. 143 (2000)
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[Publications] M.A.Bratescu, Y.Sakai, Y.Suda and M.Mizuno: "Spatial and temporal distribution of C (3^1P_1°) ablation plume in various buffer gases"プラズマ科学シンポジウム2001/第18回プラズマプロセシング研究会(PSS-2001/SPP-18)プロシーディングス,P2-52. 381 (2000)
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[Publications] 鎌田剛弘,M.A.Bratescu,須田善行,菅原広剛,酒井洋輔: "エヴァネセント光を用いた放電管壁におけるXe(1s_5)の検出"平成12年度電気関係学会北海道支部連合大会講演論文集,No. 78. 112 (2000)
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[Publications] 水野学,M.A.Bratescu,須田善行,菅原広剛,酒井洋輔: "レーザーアブレーションプルームのレーザー吸収分光診断-Cプレーム中Ar(1s_2)密度の測定-"平成12年度電気関係学会北海道支部連合大会講演論文集,No. 79. 113 (2000)
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[Publications] 水野学,M.A.Bratescu,須田善行,酒井洋輔: "レーザーアブレーションプルームのレーザー吸収分光診断-Cプルーム中Ar(1s_2)密度の測定-"2000年電気学会基礎・材料・共通部門大会講演論文集,No.13-1. 299-304 (2000)
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[Publications] 鎌田剛弘,M.A.Bratescu,酒井洋輔: "レーザー吸収分光法によるプラズマ診断-各種混合ガス放電中の窒素原子密度測定-"2000年電気学会基礎・材料・共通部門大会講演論文集,No.13-2. 305-310 (2000)
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[Publications] 鎌田剛弘,大久保光之,M.A.Bratescu,酒井洋輔,菅原広剛: "グロー放電プラズマ中窒素原子のレーザ吸収分光診断"2000年(平成12年)春季第47回応用物理学会学術講演会講演予稿集,28p-ZE-1. 1. 105 (2000)
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[Publications] 水野学,須田善行,M.A.Bratescu,酒井洋輔: "レーザーアブレーションMgOプルームの発光スペクトル"2000年(平成12年)春季第47回応用物理学会学術講演会講演予稿集,30a-V-2. 3. 1129 (2000)