2001 Fiscal Year Annual Research Report
1/fゆらぎを付加したLED光源による茸(舞茸・なめこ)の成長促進光源装置の開発
Project/Area Number |
12650435
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
平間 淳司 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (40181185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 紀男 金沢工業大学, 工学部, 教授 (20229892)
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Keywords | 茸 / 至適成育条件 / 生体電位 / 光刺激 / 波長依存性 / 1 / fゆらぎ / サーカディアンリズム / 形態形成 |
Research Abstract |
本研究では、茸の成育に必要な培地・温度・湿度・光などの至適成育条件の科学的探求を行っている。本年度は、茸の成長の活性化と密接な関係がある生体電位信号を精密に計測し、そして形態形成との関係を調べ、育成制御用の新しいタイプの光源装置の基本設計を行った。茸の子実体の成育と培地内部の菌糸の発達とが大きく関連していることが、昨年度までの研究で明らかになったので、MRI装置を用いて培地の培養段階と菌糸の発達との関係の検討も行った。得られた結果を以下に述べる。 (1)生体電位の精密計測および茸工場の現場での成育制御用光源パネルの実用化 試作したGrowth Chamberをさらに改良し、昨年度得られた結果を踏まえて、まず、種々の光刺激を与えた場合の成長の比較実験(形態形成実験)を実施した。同時に生体電位のセンシングも行い、茸の健康診断も行った結果、生体電位信号の変動パターンから生育診断が可能である兆候を得た。また、茸が環境モニタとしてのセンサの機能を有するかも検討した。その結果、生体電位のバイオリズムを応用した光源装置が有効となる可能性を見出した。以上の結果を踏まえ、茸工場の現場で有用な光源システムの基本設計仕様をほぼ確立できた。なお、現時点でも民間の茸工場にお願いして、「連続光・ゆらぎ光・パルス光」などを発光できる光源パネルを試作し、予備的に現場での形態形成の比較実験を進めている。未だ十分な検証までは至っていないが、各種光質の差異が成長に影響を及ぼすことが判明した。 (2)培地内部の菌糸の発達の観測 茸の子実体の成育には、培地内部の菌糸の発達が大きく関与していることが、咋年度までの研究で明らかになった。そこで、MRI装置を用いて培地の調整の初期段階から原基形成までの経時変化に対する菌糸の発達を、非破壊・非侵襲に撮影できることに成功した。このことから、地上系の子実体と地下系の菌糸の発達との因果関係を検討するための基盤測定技術が確立できた。今後、得られた結果に基づき更なる検討を進める基礎資料が得られた。
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Research Products
(1 results)