2000 Fiscal Year Annual Research Report
代数的手法と解析的手法の有機的結合に基づく新たな制御理論の枠組み構築の研究
Project/Area Number |
12650444
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩原 朋道 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70189463)
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Keywords | サンプル値系 / スペクトル解析 / 安定解析 / 周波数領域 / 周期系 / 線形行列不等式 |
Research Abstract |
本研究は,代数的手法と解析的手法を有機的に結合した新たな制御理論の基礎的枠組みを与えることを目的としている.ここで,代数的手法とは,固有値・固有ベクトル解析,ならびに行列式の理論を基礎とするような手法などを指す.一方,解析的手法とは,関数解析,オペレータ理論ならびに複素関数論を基礎とするような手法である.とくに,サンプル値制御と呼ばれる分野においてこれらの2つを結び付けることは,理論的発展,ならびに理論の実用性を高める上でも不可欠なものである. このような観点に立ち,サンプル値系の正実性に関する研究を中心に行い,サンプル値系の正実性の必要十分条件や,擬似的正実化のための最小定数を与える正実化定数などについて研究を行った.その結果,関数空間上のオペレータとして記述される周波数オペレータに関する計算が,基本的に有限次元行列上での代数的計算に帰着されるとともに,2分法に基づく高速な計算が可能であることが明らかになった.加えて,サンプル値系の周波数オペレータのスペクトルを有限次元行列の固有値問題として解析する方法を与えた.この方法により,関数解析的な手法から導かれるL_2安定性と,代数的性質から定まる内部安定性の関係が,サンプル値系という複雑な構造を持つ系においても明らかになったといえる. 現在,より一般の連続時間周期系に関しても解析的研究を進めるとともに,線形行列不等式を用いた代数的手法についても検討を行っている.
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