2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650446
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
山下 裕 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (90210426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岡 武俊 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (90273846)
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Keywords | 非線形制御 / 非線形微分・代数方程式 / 厳密入出力線形化 / オブザーバ / 大域的安定化 / 線形行列不等式 |
Research Abstract |
非線形微分・代数方程式(DAE)で表されたシステムを制御する場合、非線形の代数方程式を解析的に解かねばならない場合が多い。しかし、多変数の非線形代数方程式を解析的に解くことは非常に困難である。そこで、我々は、非線形微分・代数方程式で表されたプラントに対して代数方程式を直接解くことなく非線形制御則を求める方法に関して研究し、以下の結果を得た。 1.非線形微分・代数方程式系の出力の時間微分を、代数方程式を解くことなく求める方法を明らかにした。 2.上記の出力の時間微分を用いて厳密な入出力線形化制御則を構成する方法を提案した。 3.提案した制御則には、微分方程式で決定される状態変数だけではなく、それに代数的に従属な状態変数を含んでいるため、その2つを同時に推定するオブザーバが必須である。そこで、これら2種類の状態変数の推定値を同時に求めるオブザーバを提案した。このオブザーバによる推定値は、代数方程式を満たす超曲面に大域的に漸近し有限時間でその超曲面に整定する。その超曲面上の挙動を指定するオブザーバゲインはLMI(線形行列不等式)求めることができた。 4.ある条件のもとで、このオブザーバの推定誤差が大域的に漸近安定であることを示した。また、条件をさらに追加することで、制御系全体の挙動が有界かつ追従誤差が0となることを示した。 5.このようなシステムに対しては入力の数と等しい数の積分器を付加することが有効であることを明らかにした。この積分器の役割は、代数方程式に入力変数を含むことを許容する、新たな入力に関して線形な系に変換できるようにする、多入力系のnormal formが定義できるようにする、オブザーバのエラーダイナミクスに入力が表れないようになる、の4つである。
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Research Products
(1 results)