2001 Fiscal Year Annual Research Report
非線形システムのモデリングから制御系設計までの統合的アプローチの構築
Project/Area Number |
12650452
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Research Institution | OSAKA PREFECTURE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
和田 光代 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70201259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 純 岡山大学, 工学部, 講師 (50243986)
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Keywords | 非線形システム / 線形モデル集合同定法 / モデリング / システム同定法 / 線形モデル集合 |
Research Abstract |
非線形システムに対して,モデリング/同定から制御系設計に至るまで,理論的背景のある統合的なアプローチを構築することを最終目標とし,以下の研究を行った. 1.非線形システムのモデリング:非線形システムを各動作点における線形化モデルの集まりとみなしたモデリング方法,すなわち線形モデル集合(LM集合)によるモデリング法の妥当性について検討し,動作点に沿った目標軌道を設定する制御系設計においてはこのLM集合によるモデリング方法が妥当であるとの結論に達し,これを採用した. 2.LM集合の同定法:上記のモデリング方法によってモデル化し,それを入出力データから同定する方法について,PE性の十分にある入力データを用いたLM集合同定法を提案したが,さらに,周波数応答を利用したLM集合同定法について検討した.その結果,システムの非線形性にある程度の先験的な情報があれば可能ではあるが,前者には及ばず,結局,PE性の十分にある入力データによるLM集合同定法の方が適当であるため,それを採用した. 3.制御系設計と解析:モデリング・同定されたモデルをもとに,動作点の移動が可能な制御系設計法を導出した.すなわち,動作点に応じて線形化モデルが変わるため,それぞれの線形モデル集合ごとに制御則を設計し,参照入力の値に応じて制御器を変化させる制御則を導出した.得られた制御則を元の非線形システムに実装することによる動作保証は,安定解析法の適用により理論的に行った 4.以上の結果の有効性を数値シミュレーションにより検証した. 5.現在,成果を論文公表すべく準備中である.今後は,適応的な制御則設計法の導出と実システムへの適用を目指している.
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