2001 Fiscal Year Annual Research Report
座屈を伴って繰り返し大変形を受ける鋼板の構成則と地震時耐力
Project/Area Number |
12650468
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩熊 哲夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60120812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 文彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10261596)
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Keywords | 変形局所化 / 繰り返し載荷 / 弾塑性 / 非共軸塑性 / 有限要素法 / 安定問題 |
Research Abstract |
地震時に鋼製橋脚が座屈を伴って崩壊する場合の座屈後の大変形を伴いながら終局状態に至る挙動を,平板有限要素のための巨視的な構成モデルで表現するための基礎実験を行っている. 昨年度までの実験結果によると,いわゆるエネルギー定則とは異なるような挙動,つまり,反復挙動において単調載荷時に比べると極端に大きいエネルギ散逸が大変形時に見られた,この原因として我々は変形の局所化が生じていると考えたわけだが,それは実は塑性硬化が極端な場合であったため,数値モデルに考慮されにくい移動硬化の影響である可能性もあるため,本年度は,より現実的な実験条件を試みることによって,この移動硬化が少ない場合に限定して案験を実施した.つまり,上載荷重を初期に導入した上で地震を受け,板断面内に引っ張り側の塑性履歴をあまり受けない範囲での繰り返し載荷に限定し,その場合の変形の局所化などの通常は無視されるような現象の把握を試みた.すなわち,移動硬化の影響ができるだけ少ないようにした上での圧縮側への硬化だけであれば,モデルとしては等方硬化でも表現できるので,そのモデルによる数値予測との差異を観察することにした. 数値解析はこの報告の時点にはまだ間に合わなかったが,昨年度の引っ張り側にも塑性変形を大きく生じさせる場合に比べると,実験結果から得られる繰り返し載荷挙動の包絡線はかなり単調載荷の挙動で近似できそうであることが明らかになりつつある現状である.逆に言うと,最終的な崩壊に至るまでに地震動を受けるような大きな変形を受ける場合には,やはり単調載荷を元にしたモデルでは不十分であることも明らかにできそうである.
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