2000 Fiscal Year Annual Research Report
長大スパン斜張橋の静的、動的安定性を確保できる限界最小断面構成の特定
Project/Area Number |
12650472
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
長井 正嗣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20207971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 陽三 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20111560)
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Keywords | 吊形式橋梁 / 斜張橋 / ケーブル / 安全率 / 終局強度 / 弾塑性 |
Research Abstract |
スパン600m斜張橋を対象に、ケーブルの非弾性挙動を考慮した弾塑性有限変位解析から終局挙動、強度を検討した。桁高さを3ケース、また3種類のケーブル安全率をパラメータとした解析を行った。その際、塔の剛性は現行安全率で得られる値より若干大きい値とした。計算の結果、次の知見を得た。1)斜張橋の終局耐力はケーブルの降伏に支配される、2)桁高を高くするほど強度が上昇するが、顕著ではない、3)終局時の荷重倍率は(ケーブルの降伏点/ケーブル最大応力)または(桁鋼板の局部座屈応力/最大作用応力)のうち小さい方の値で評価できる。 次に、スパン600m,1400mの斜張橋を対象にし、それぞれ、桁高(高さをパラメータ)、ケーブル安全率に加え、塔の安全率も変化させ、弾塑性有限変位解析を行った。各構成要素(桁、ケーブル、塔)のそれぞれの強度(安全率に応じて部材諸元を変化)が全体の終局挙動に及ぼす影響の検討である。その結果、等分布荷重が作用する状態では、(ケーブル降伏点/ケーブルの最大作用応力)、(桁鋼板の局部座屈応力/最大作用応力)、(塔鋼板の局部座屈応力/最大作用応力)のうち、一番小さい値で橋全体の終局が支配されることを明らかにするとともに、以上の比率で橋全体の荷重係数が評価できることを明らかにした。塔に大きな曲げモーメントが生じる偏載荷重時には、塔剛性が高いと、ほぼケーブルの塑性化で全体耐力が支配される。一方、塔剛性を小さくすると、桁の剛性との関係に応じて異なった崩壊状態を示す。この荷重倍率に関する同定は今後の課題となった。現在、1400mモデルの計算が終了しており、結果を整理中の状態である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 長井正嗣,謝旭,山口宏樹,野上邦栄,新井田勇二: "斜張橋ケーブルの非弾性挙動が終局挙動、強度の与える影響および安全率低減に関する一考察"土木学会論文集. No.665I-53. 85-94 (2000)
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[Publications] 野上邦栄,岩崎秀隆,柴田晃一,長井正嗣: "長大斜張橋の主桁耐力の評価法としてのEf法の精度と終局強度照査法"土木学会論文集. No.668I-54. 217-230 (2001)
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[Publications] 岩崎秀隆,野上邦栄,長井正嗣: "一部他定式斜張橋の終局強度特性に関する検討"第28回土木学会関東支部技術研究会講演集. (発表予定). (2001)
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[Publications] 藤田将司,野上邦栄,長井正嗣: "一部他定式斜張橋の耐荷力特性と主桁の座屈照査法に関する一考察"土木学会第55回年次学術講演会講演集. I-A129 (2000)
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[Publications] 柴田晃一,野上邦栄,長井正嗣: "Ef法による長大斜張橋の耐荷力評価法の精度比較と座屈照査法"土木学会第55回年次学術講演会講演集. I-A131 (2000)