2000 Fiscal Year Annual Research Report
任意水平方向に地震力を受ける鋼製橋脚の力学的挙動とその設計法に関する研究
Project/Area Number |
12650475
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉浦 邦征 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70216307)
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Keywords | 鋼製橋脚 / 非比例載荷 / 耐荷力 / 変形能 / 組合わせ力 |
Research Abstract |
地震動は,断層におけるエネルギーの解放によって生じるずれ変形が,四方に伝播するものであり,その振動の方向性は顕著に現れるが,地動は非定常で3次元的に生じる.特に,水平2方向におけるそれぞれの地動の大きさは同等であり,上下動は一般に水平動より小さいことが分かっている. しかし,構造物の現行の耐震設計においては,1方向の地震荷重を想定するのみで,2方向同時に地震荷重を想定することは無い.一方,構造物の耐荷・変形性状は,組み合わせ断面力に依存し,軸圧縮力,2軸曲げおよびねじりの組み合わせを踏まえ,正しく把握する必要がある.特に,水平2方向荷重入力が,原点復帰ではなく,非比例的に行われる時の構造物の非弾性応答性状に関する情報は,極めて少ない. そこで,本年度の研究では,水平2方向の地震動を受ける鋼製橋脚を想定し,繰り返し水平荷重(変位)載荷実験により.その耐荷性状,変形性状を明らかにした.対象断面は,円形断面であり,1方向入力,および2方向非比例入力の強度と変形能,特に局部座屈の進展に関連付けて検討を加えた.載荷実験を通して,2方向非比例載荷により耐力劣化が著しく,すなわち柱基部における局部座屈が円周方向に急速に伝播することを明らかにした.今後は,径厚比,軸圧縮力比などのこれらの影響に対する検討を進める必要がある.
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