Research Abstract |
本研究ではPC床版を有する鋼2主桁橋を対象にシェル要素を用いた立体有限要素モデルを作成し,車両諸元,走行位置,走行速度,走行台数等,多様な走行条件が橋梁の動的挙動へ及ぼす影響を評価した. 床版,主桁,横桁,壁高欄を平面シェル要素,補剛材等その他付属物をはり要素を用いて詳細にモデル化し,また,ばねを用いることで弾性支承の挙動を表現することにより,本研究で対象とする鋼2主桁橋の固有振動特性について実測を再現できることを確認した. また,走行試験車両を8自由度振動系車両にモデル化し,路面凹凸,継手部段差を詳細に検討した結果,橋梁加速度応答ならびに卓越周波数について現地走行試験を再現できることを確認した.これにより,弾性支承を有する2主桁橋において,走行車両が継手部段差を通過する時,弾性支承の鉛直方向変形に伴う振動が影響し,橋梁の加速度応答が増幅される傾向にあることがわかった.また,2主桁化による床版支間の増大,また横構の省略等の合理化設計により,断面のねじり剛性が低下し,車両の偏心走行に対して,応答が大きくなる恐れがあることを指摘した. さらに局部的な振動に注目するため,ばね下振動数の大きな車両モデルを用い,高次振動モードヘの影響を評価し解析を行った結果,2主桁橋では,床版支間の増大により,ウェブの面外方向振動に対して,ウェブ自身の面外変形モードに加え,床版の曲げ振動に伴ってウェブが面外方向へ変形するモードの影響が大きくなることを明らかとした.
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