2002 Fiscal Year Annual Research Report
建設コスト縮減を目指した鋼アーチ橋梁の開発に関する研究
Project/Area Number |
12650480
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山尾 敏孝 熊本大学, 工学部, 教授 (40109674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩坪 要 八代高専, 土木建築工学科, 助手 (60290839)
崎元 達郎 熊本大学, 工学部, 教授 (50029302)
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Keywords | 上路式鋼アーチ橋 / 復元力モデル / 非線形動的解析 / 耐震設計 / 相関強度曲線 / コスト縮減 |
Research Abstract |
前年度の実績をもとに、アーチ橋の耐震設計に必要な非線形動的解析法の確立及びコスト縮減の対象となる構造形式を求めて研究を行った。アーチ橋の耐震設計においては、地震動を入力して非線形動的応答解析を実施して挙動特性を把握するが、耐震照査を行う場合、塑性域に達することを許すのか、また、許した場合はどの程度であれば妥当なのか、最大変位で制御するにはどうする方法等の問題が解決されなくてはならない。そこで、今年度は、代表的な上路式鋼アーチ橋を2〜3橋選定し、骨組要素を用いた弾塑性有限変位解析を行ってその挙動ならび塑性化が生じやすい断面のひずみと面外変位、面内変位関係を明らかにした。アーチ支間長とひずみ及び変位の関係を求めたが、アーチの補剛形式や構造により変形挙動に差が生じた。また、解析結果のデータ数も十分でないことなどから、有効は照査方法の定式化はできなかった。 一方、昨年度までに開発したM-φの復元力モデルと相関強度曲線を用いた3次元非線形動的解析法を今年度は更に改良を加え、既存のファイバー要素を用いた市販の動的解析プログラムTDAPIIIとの比較を通して、その妥当性について検討を行った。橋脚のハイブリッド実験との比較検討および上路式アーチ橋の3次元的動的挙動解析結果より、提案手法は解析時間や精度の面でも有効性及び妥当性が確認された。しかし、今後アーチ橋の耐震設計における照査に適用するために更に解析例を通して精度向上が求められる。また、コスト縮減が可能な新アーチ構造形式を提案することはできなかったが、今後更に同様な研究を進めて鋼アーチ橋梁のデータを蓄積すれば十分可能性があることがわかった。また、鋼アーチ橋の耐震設計に関する基礎データが不足しており、早急に実施されることが望まれる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山尾敏孝: "上路式アーチ橋の3次元非線形応答解析について"第11回日本地震工学シンポジウム論文集. (CD). (2002)
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[Publications] H.Harada: "Ultimate strength and behavior of stiffened steel short-arch ribs"Second International Symposium on Steel Structures 21-22 Nov., 2002. 235-244 (2002)
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[Publications] T.Yamao: "Nonlinear seismic response analysis of a deck-type steel arch bridge"Advances in Steel Structures. Vol.II. 823-829 (2002)
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[Publications] 原田秀則: "圧縮、曲げ及びねじりを受ける補剛箱形断面部材の挙動特性と相関強度曲線"土木構造・材料論文集. 第18号. 43-52 (2002)