制御技術を利用したハイブリッド空力弾性試験システム

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12650486
• Research Institution: Kochi University of Technology
• Principal Investigator: 藤澤 伸光 高知工科大学, 工学部, 教授 (80299388)
• Keywords: 非定常空気力 / 制御 / 空力弾性試験

Research Abstract

制御を用いた非定常空気力の測定が理論的に可能なことは既に報告している.この方法の実用化にあたっての第一の問題は,風洞中に弾性支持された供試体に制御力を加える具体的方法である.精度,信頼性,費用などを勘案して本研究では支持バネの支点に制御変位を加える方法を検討した.
提案時に想定したデジタル制御のリニア・モータは高価なため,計画を変更して,加振力やストロークに限界はあるものの,時間遅れが少なく良好な特性が期待できるボイス・コイル・モータ,およびそのドライバを駆動するための直流電源を購入することとした.しかしながら,この製品は納期が長く納入が年度末になるため,取りあえず安価な小型パルス・モータを用いたアクチュエータを試作して基本特性を調べた.その結果,バネ支点に変位を与える方法で振動特性の制御が可能なこと,変位および速度に比例した制御(PD制御)によって非定常空気力と同等な効果を与えることができることが定性的には立証された.ただし,市販のパルス・モータとコンピュータによって構築したフィード・バック・ループでは変位検出から制御変位までの時間遅れが無視できず,空気力測定に使用可能な精度は得られなかった.
13年度は購入したボイス・コイル・モータのドライバを製作し,再度,制御実験を行うとともに,装置を風洞内に設置して空気力測定を試みる予定である.