2000 Fiscal Year Annual Research Report
経時的な変化に着目した一般廃棄焼却灰の液状化特性に関する研究
Project/Area Number |
12650501
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐藤 研一 福岡大学, 工学部, 助手 (20235336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 健太郎 福岡大学, 工学部, 助手 (00289521)
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Keywords | 焼却灰 / 養生日数 / 地盤環境 / せん断持性 / 液状化強度 / 固結力 / 締固めCBR特性 |
Research Abstract |
焼却灰を有形のまま地盤材料として有効利用する場合、(1)路盤材、(2)管路の埋め戻し材及び(3)裏込め材が主として考えられる。また、化学・鉱物学的に十分に安定化させた焼却灰については、盛土材への適用が想定される。一方、海面埋立用材としての有効利用の場合は、特に焼却灰が緩く堆積し、地下水位が高い地盤を形成する。 本研究では、焼却灰が利用される地盤環境を想定した養生方法によって一定期間の養生を行って供試体の作成を行った。焼却灰の力学特性は、土質力学試験に準拠して行い、地盤材料としての焼却灰が置かれる環境と養生期間に着目して考察を行った。 その結果、次のようなことが明らかになった。 (1)焼却灰は、締固め・CBR特性によって地盤材料として有効利用できることが分かった。 (2)一軸圧縮強度は、暴露、気中養生において、養生日数とともに強度増加を示した。これは、供試体に生じる固結力によると考えられる。また、養生方法の違いによって、経時的に発生する固結力が異なることが明らかになった。 (3)排水三軸せん断試験により、低拘束圧時において焼却灰の強度・変形特性に養生方法の違いによる影響が現れた。しかし、拘束圧の増加とともに養生方法に関係なく、供試体は強度低下が生じ、収縮挙動を示すことが分った。また、拘束圧の増加に伴って、供試体内に生じている固結力が消失することも明らかになった。 (4)一般廃棄物焼却灰の液状化強度は、焼却灰が放置される地盤環境に影響を受けることが分かった。また、この強度の違いは、焼却灰中に経時的に生じる固結力の違いが影響を及ぼすことが明らかになった。 (5)焼却灰の有効利用を考える場合、焼却灰が置かれる地盤環境を十分に考慮に入れた設計の必要があることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 佐藤研一,松村耕平 他: "都市ゴみ焼却灰の繰返しせん断特性"第35回地盤工学研究発表会講演集. NO.2-1. 201-202 (2000)
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[Publications] 佐藤研一,松村耕平 他: "コーン貫入試験による都市ごみ焼却灰の液状化強度評価の試み"土木学会第55回年次学術講演会講演概要集. 3-B. 734-735 (2000)
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[Publications] 佐藤研一,松村耕平 他: "都市ごみ焼却灰の繰返しせん断特性と評価"第11回廃棄物学会研究発表会講演論文集. NO.I. 581-583 (2000)
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[Publications] 佐藤研一,本村明教 他: "一般廃棄物焼却灰のせん断特性に及ぼす地盤環境の影響"平成12年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集. NO.1. 402-403 (2001)
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[Publications] 佐藤研一,松村耕平 他: "一般廃棄物焼却灰の非排水せん断特性に及ぼす養生方法の違いによる影響"平成12年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集. NO.1. 404-405 (2001)
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[Publications] 佐藤研一,権藤清路 他: "一般廃棄物焼却灰の繰返しせん断特性に及ぼす地盤環境の影響"平成12年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集. NO.1. 406-407 (2001)