2000 Fiscal Year Annual Research Report
移動型火災旋風の挙動に地表粗度とその配置が与える影響
Project/Area Number |
12650504
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
池田 裕一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (20202898)
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Keywords | 火災旋風 / 接地境界層 / 粗度 / プルーム / カルマン渦 / 接近流 |
Research Abstract |
本研究では,移動型火災旋風の発生条件とその形態に地表粗度が及ぼす影響を明らかにするために,流れの可視化の容易な水中で,炎の代わりに上昇流を発生させて実験を行った.その結果,以下の知見が得られた. 1.実験では,水路に水を流して接近流を与えるとともに,水路の底面1箇所から上昇流を噴出させた.噴出部の形状は,上流側を上にして逆U字型および一文字型の2通りとした.また噴出部より上流側には桟粗度を配置して,接近流の鉛直方向流速分布をコントロールした. 2.噴出部が逆U字型の場合,上昇流を弱い場合には何ら旋風の発生が見られない(非発生)が,上昇流がある程度強くなると,上昇流域の左右後方に中規模の渦が発生・流下するようになる(移動渦).上昇流がさらに強くなると,今度は上昇流の裏側に巻き込まれるような渦運動(巻込渦)が見られるようになる. 3.以上のような旋風の発生形態の相違には,接近流の接地境界層厚さも密接に関係していることがわかった.すなわち,境界層厚さが厚いほど,先述の非発生・移動渦・巻込渦の遷移点となる上昇流速が弱くなることが確認できた. 4.以上2と3より移動型火災旋風の発生状況には,次の3者の影響が大きいと考えることが出来る. (1)昇流と接近流速の比 (2)接近流速と上昇流域の幅を用いたレイノルズ数 (3)接近流の境界層厚さと上昇流域の幅の比 そして実際にこれら3軸によるグラフ上で系統的に分類できることを確認した.
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Research Products
(1 results)