2000 Fiscal Year Annual Research Report
衛星リモートセンシングによる砂浜海岸の高精度水深モニタリングシステムの開発
Project/Area Number |
12650506
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
泉宮 尊司 新潟大学, 工学部, 教授 (60151429)
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Keywords | リモートセンシング / 水中消散係数 / 光学センサ / 海底反射率 / 水深 / 輝度値 / SPOT / HRV / LANDSAT / TM |
Research Abstract |
本研究は,衛星リモートセンシングデータを用いて,沿岸域の水深を精度よく推定するために,沿岸域の底質の分光反射率を各水深毎に詳細に測定し,そのデータと検定測線の水深を用いて水中消散係数を評価し,水深の推定精度を高める手法を開発した.従来の水深推定法では,水中消散係数および海底反射率を一定と仮定して水深を推定していたために,その推定精度には限界があり,実用化には到っていながった.本研究では,新潟海岸を対象に,複数の参照測線を設けて,水深が0mから5mまで0.5m毎に底質を採取し,その分光反射率を詳細に測定している.その結果,砂浜海岸では海底反射率はほぼ一定であるが,数%の変動があり,特に水深2mから3mの領域で海底反射率がやや小さくなることが明らかにされた. 衛星リモートセンシングのデータは,SPOT/HRVおよびLANSAT/TMのデータを用いて水深の推定を行ったが,海面画像の輝度値は海表面の状態によって,輝度値の変動が見られたので,空間分解能が余り低下しないローパスフィルタを開発し,輝度値のノイズ成分を除去した.実測された海底反射率および検定測線の水深データを用いて,水中消散係数を推定したところ,水深に対する依存性が認められ,水深が浅いほど消散係数の値が大きくなる傾向にあった.得られた消散係数の値を用いて,検定測線から200〜300mほど離れた所の水深を推定し実測値と比較したところ,水深が4m以浅で誤差の標準偏差が0.3m程度で比較的良い一致を示し,砂州およびトラフ等の局所地形を推定することができた.しかしながら,水深の推定誤差が最大で0.5m程度ある所もあり,また検定測線から500m以上離れると誤差もやや大きくなることから,検定測線からの距離と推定誤差との関係を定量的に評価することが課題として残されている.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 泉宮尊司,國田知基,鈴木健太郎,泉正寿,永松宏: "衛星リモートセンシングによる水中消散係数の変動を考慮した沿岸域の水深の推定"土木学会海岸工学論文集. 47巻. 1351-1355 (2000)
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[Publications] 泉宮尊司,居場博之: "合成開口レーダによる海面画像の準線形理論に基づいた逆解析解の存在とその特性"土木学会海岸工学論文集. 47巻. 1326-1330 (2000)
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[Publications] 泉宮尊司,岡本佳世: "漸近理論を用いた重み付最小二乗法ならびに最適合分布の評価法"土木学会海岸工学論文集. 47巻. 216-220 (2000)
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[Publications] 岩田好一郎,泉宮尊司 他94名: "海岸施設設計便覧 2000年版"土木学会,海岸工学委員会海岸施設設計便覧小委員会 編. 582 (2000)
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[Publications] 泉宮尊司: "2000年度水工学に関する夏期研修会講義集 設計波の合理的な設定法"土木学会,海岸工学委員会・水理委員会 編. 20 (2000)