2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650515
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松見 吉晴 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00135667)
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Keywords | 不規則造波信号 / 消波被覆材 / 捨石の安定重量 / 捨石の動的挙動 / 被覆材の所要重量設計 / 斜面上の捨石の作用波力 |
Research Abstract |
最終年度の研究では,昨年度までの被災実験より明らかになった被覆材の被災現象が一般に微動なローリング運動を繰り返しながら被覆材間のかみ合わせがゆるみ離脱転落に至る「作用波履歴が関係するmemory型の被災プロセス」であることに注目し,マルコフプロセスの仮定に基づいた高波の連に関する理論を用いて被覆材にとって危険な状態と考えられる高波の波群の出現頻度と造波不規則波の構成波数の関係を検討することにより,被覆材の耐波安定実験における造波不規則波の構成波数に関する最小基準について提案を行った.以下に研究結果を示す. (1)被災時とその直前の作用波の砕波相似パラメータξについて確率特性を検討した結果,被災時と直前のξの結合確率分布がワイブル分布で近似でき,ξの大部分が2≦ξ≦3.5の領域に集中することから,被覆材にとって危険な状態における高波の波群の出現特性に関する統計解析では,対象とする高波の波群に関するランクをξ=3.5と2より算定した波高範囲に設定して7種類の造波信号長毎に10000ケースのシミュレーション波形を対象に行った.2≦ξ≦3.5に入る連長2および2以上の波群の出現回数に及ぼす構成波数の影響は平均値で見る限り同じであるが,出現回数のバラツキについては構成波数が少ないほど大きくなる. (2)被災実験より2層被覆ガラス玉の被災率と不規則波の構成波数の関係を検討した結果,被災率のバラツキに造波不規則波信号の構成波数が強く依存することがわかった. (3)(1)と(2)結果より,高波の出現回数のバラツキと被覆材の被災率のバラツキが小さくなりほぼ一定となる構成波数600波を,被覆材の耐波安定実験における造波不規則波の構成波数に関する最小基準の目安として本研究で提案している.
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Research Products
(1 results)