2000 Fiscal Year Annual Research Report
ごみ埋立地における還元性硫黄化合物の発生量とその気候影響の評価
Project/Area Number |
12650540
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村尾 直人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00190869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山形 定 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80220242)
太田 幸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00100058)
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Keywords | 還元性硫黄化合物 / 硫化カルボニル / 二硫化炭素 / 地球温暖化抑制 / 埋立地 / 発生量 / 含硫黄ガス総濃度測定 |
Research Abstract |
成層圏や対流圏の硫酸エアロゾル(浮遊微粒子)は地球温暖化抑制効果を有するため、エアロゾル中の硫酸成分がどのように決定され、今後どのように変化するかを人間活動に関連づけて予測することが、今後の地球温暖化を予測する上で大きな課題となっている。 本研究では、都市の人間活動に伴う還元性硫黄化合物の発生を対象とし、ごみ埋立地から発生する還元性硫黄化合物の発生量とその気候への影響の定量的評価を研究の目的としている。本年度は、還元性硫黄化合物総排出量の測定方法の開発および発生量に関する予備調査を行った。 I 含硫黄ガス総濃度測定装置の開発 サンプルガス中の硫黄成分を、電気炉(約1100℃)を用いてSO2に酸化し、過酸化水素溶液中に捕集する装置を作成した。装置の捕集効率は95%以上となり、定量限界はガス中硫黄総濃度として30ppbになった。標準ガスを用いた理論値と測定値の誤差は5%以内と良好で、溶液の保存に関しても、少なくとも二カ月可能であることがわかった。なお、埋立地ガスサンプルを装置に導入する際には、十分量の酸素と混ぜてから行なう必要があった。 II ごみ埋立地ガスサンプリング 札幌近郊K市のゴミ埋立地において7月から10月まで計10回サンプリングを行った。調査は、I期(埋立終了後16年)1箇所、II期(同8年)3箇所、III期(現在埋立中)3箇所の計7箇所のガス抜き管で行なった。全硫黄発生量を算出したところ、I期:0〜3.7(mg/hr)、II期:0〜32(mg/hr)、III期:0.11〜13.8(mg/hr)となった。濃度および発生量に関して、期によるばらつき、同期内のガス抜き管によるばらつき、測定日時によるばらつきとも大きいことがわかった。
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