2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650555
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山崎 惟義 福岡大学, 工学部, 教授 (00038100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 亮一 福岡大学, 工学部, 助手 (50299541)
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Keywords | 底面ろ床 / 低速ろ過 / 循環 / 水質改善 / 閉鎖性水域 |
Research Abstract |
本研究の目的は、超低速ろ過法による湖沼の水質改善をマイクロコズムを用いた実験槽を用いて実験的にその効果を確認するとともに、実際に超低速ろ過用の底面ろ床が設置されている三坂池(佐賀県嬉野町に位置する農業用水用のため池)における現場調査を行い、その有用性を確認することにある。 平成12年度は、マイクロコズムを用いた実証実験では、栄養塩の負荷を非常に高いレベルで与えたときに、超低速ろ過法がどの程度有効であるかを確認するとともに、ろ床に用いるろ材についても検討を行った。また、三坂池における現地実験では、超低速ろ過システムが稼働前のため池の状態を把握し、シミュレーションに必要な基礎データ(DTP,PTP,DTN,PTN,pH,DO,SS,濁度,TOC,クロロフィル-a)を収集し、モデルを構築した。現在(平成13年1月より超低速ろ過システムが稼働開始)、超低速ろ過システムが稼働状態での調査(池に流入する沢水の流量、水質、溜池内の水質、流出流量の測定)を行っている。 本年度得られた成果を要約すると以下の5点になる。 (1):マイクロコズムを用いた実証実験を実験室スケールで行った結果、超低速ろ過法を用いることによって、栄養塩の負荷が非常に高レベルの状態でも効果があることが実証された。 (2):マイクロコズム内のろ床材を変えることで、更に効果的に水質が改善されることがわかった。 (3):マイクロコズム内に生物を加えることによって、より効率的に水質が保たれることがわかった。 (4):現地(三坂池)での水質調査の結果、現状でのため池の状態を把握することができ、シミュレーションに必要な諸情報を得ることができた。 (5):三坂池での水質改善モデルを構築するための、基礎情報が得られたため、次年度以降にその効果を検証することが可能になった。
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