2001 Fiscal Year Annual Research Report
水平地殻変位から予測される利府・長町断層の破壊過程と強震動
| Project/Area Number |
12650558
|
|---|
| Research Institution | Tohoku University |
|---|
Principal Investigator |
栗田 哲 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90195553)
|
|---|
| Keywords | 断層の破壊過程 / 断層モデル / 摩擦要素 / 水平地殻変位 / 滑りの停止 / 固着-滑り摩擦 |
|---|
| Research Abstract |
1.水平地殻変位の年平均値の予測
国土地理院や他の機関が仙台市及びその周辺に展開しているGPS観測により得られた本年度の水平地殻変動データを収集し、そのデータを用いて仙台市周辺の水平地殻変位の年平均値を最適化手法により推定を行った。
2.断層滑り摩擦要素の開発
昨年度の研究で、修正ジョイント要素は、滑りの停止(滑り速度がゼロ)した後も、滑りが変動して見かけの滑り加速度が生じていることが判明し、断層の滑りの停止と断層面の固着を適切に評価出来ていないことを示し、その原因をブロツク・スライダーモデルと免震部材の滑り実験結果を用いて、明らかにした。滑りが変動して見かけの滑り加速度が生じてないようにする方法を、1次元ブロック・スライダーモデルで提案した。本年度は、この提案した新しい方法を、2次元問題や3次元問題に拡張する方法を考案し、断層滑り摩擦要素を開発した。このモデルの有効性や問題点について、数値解析により検討を行った。その結果、本研究で提案した摩擦要素モデルは解析精度を高めることが可能であるが、そのためには時間刻みを小さくする必要があることが分かった。
3.地殻FEMモデルによる断層破壊シミュレーション
数万年という長期間を考え、仙台市を含む広域の地殻モデルに一定速度の水平地殻変位を与えて、研究代表者が開発した有限要素法を用いた解析手法により同市内を横切る利府・長町断層で起こる大地震を時系列的に発生させ、断層の破壊過程と強震動の予測を行い、経験的断層モデルによる予測結果との差違等について検討を行った。必ずしも、経験的断層モデルの結果と本手法の結果が一致しないことが分かった。
|
Research Products
(1 results)
