2000 Fiscal Year Annual Research Report
阪神淡路大震災における木造建物の破壊モードと入力地震動の関係
Project/Area Number |
12650563
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
大橋 好光 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教授 (70160603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 功 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011212)
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Keywords | 兵庫県南部地震 / 阪神・淡路大震災 / 木造住宅 / 被害調査 / 森南町 / 被災度判定 / 被害推定 / 死亡原因 |
Research Abstract |
今年度は、兵庫県南部地震でも被害の特に大きかった神戸市東灘区森南町を地域を限定して分析した。この地域は、研究代表者らが地震直後に集中的に調査した地域の一つで、大半の家屋の被害概要調査データが回収できている。また、建物の詳細な間取りや工法の分かるものが数十棟、データ化されている。また、読売新聞神戸支社が行った被害調査データや、NHKが行った聞き取り調査のデータも入手している。 研究では、まず、これらのデータを建物1棟ごとのデータベースとして、コンピュータ入力した。このデータベースをもとに、被害と建物の構造の関係を分析した。たとえば、被害の程度と建物の建築年との関係は、最も有意な関係がみられた。古いものほど、大きな被害を受けており、特に昭和60年以前の建物に大きな被害を生じていた。また、建物の被災の程度は、居住者の考える被災程度と、建築関係者が行った被災度判定とは、差があり、居住者は、被災の程度を厳しく判定していることが分かった。また、死者の生じた住宅は、昭和55年以前の建物に限られ、昭和30年から40年にかけて建てられた住宅に多いことが明らかになった。 また、これらの被害を受けた建物を、最終的に補強して再使用しているのか、あるいは撤去したのかを調べた。その結果、被害が「軽微」と判定された住宅でも、撤去した建物がかなりの量に上っていることが明らかになった。
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