2000 Fiscal Year Annual Research Report
地震時に生ずる隣接構造物間の相対変位相互干渉に関する研究
Project/Area Number |
12650564
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
笠井 和彦 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (10293060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 洋司 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (20323842)
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Keywords | 建物衝突 / 建物間相対変位 / 等化線形化手法 / 等価周期 / 等価減衰 / 振動モード / エネルギー吸収 / エネルギー伝達 |
Research Abstract |
地震時に隣接構造物が異なる揺れをすると、深刻な被害が起こり得る。例えば二構造物が寄って衝突すると、加速度・慣性力が極端に増大し、非構造物・構造物が打撃をうける。エキスパンションジョイントを持つ構造においても同様である。さらに二構造物が離れると、連結橋があればその落下に至ることもある。本研究は、既存建物における衝突応答の予測と、運動エネルギー吸収による衝突被害の軽減方法を対象とする。 (1)スペクトル法による衝突最大応答評価 非衝突を仮定して得られる隣接建物それぞれの地震応答スペクトルを衝突時におきる建物間でのエネルギー移行に基づき修正し、時刻歴解析無しで最大応答を予測する方法を作成している。隣接建物の接触・無接触状態の接続時間から等価な固有周期を決定し、相応の地震エネルギー入力を求め、二構造物のエネルギー移行を剛性・質量などの比により定量化した。ただしこの理論は両構造物を2つの1質点系としてモデル化した場合にあてはまる。この精度は、改良する余地があり、現在検討中である。多質点系への拡張が今後の課題である。 (2)制振を適用することによる衝突被害軽減 隣接建物の間でエネルギー吸収をする方法が他者により研究されているが、ここでは一方あるいは両方の建物内部にエネルギー吸収機構を組み込むことにより衝突回避または衝突被害軽減を図ることを研究している。この方法は、高まった建物減衰が変位を抑えるたけでなく、両建物の振動位相を似通わせることを利用したものであり、現在、粘弾性・粘性・鋼材ダンパーを用いた場合の制振構造の設計と、等価周期・減衰の評価方法について検討している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 笠井和彦,大原和之: "速度依存型制振構造の設計"第1回パッシブ制振構造シンポジウム東京工業大学建築物理研究センター. 1. 293-308 (2000)
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[Publications] 笠井和彦,寺本道彦,大熊潔,所建: "粘弾性体の温度・振動数・振幅依存性を考慮した解析モデル(その1,その2,その3)"日本建築学会大会講演梗概集. B-2. 999-1005 (2000)
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[Publications] 石井正人,北村春幸,和田章,笠井和彦: "粘弾性制振部材付き架構のモデル化に関する検討"日本建築学会構造系論文集. 531. 55-62 (2000)
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[Publications] Ooki Y.,Motoyui,S.,Kim,K-H: "Dynamic Analysis of a Pendulum Considered Cable's Loosening and Tightening"Proceedings of Sixth Asian Pacific Conference on Shell and Spatial Structures. 2. 993-1000 (2000)