2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650579
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
本間 俊雄 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (60311883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 憲司 鹿児島大学, 工学部, 助手 (70311884)
皆川 洋一 鹿児島大学, 工学部, 教授 (30128459)
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Keywords | 生物的アプローチ / セル・オートマトン / 遺伝的アルゴリズム / 最適化 / 満足化 / 構造形態 / 複合ケーブル構造の形態決定 / 移動座標系 |
Research Abstract |
建築構造解析に応用されている生物的アプローチ(進化,遺伝,学習,免疫,自律分散,自己組織化)を整理し、それらの性質と長短所をまとめ、適用事例の適合性を検討した。各方法における基本アルゴリズムのソフトは各々開発し、直接スキームの検討も実施している。これらの調査・検討において、分散的かつ自律的な創発型システムに分類される計算法が工学全般において積極的に利用されているにも関わらず、建築構造解析分野では応用例が極めて少ないことが判明した。自律分散系の計算法はセル・オートマトン(CA)のモデルに対応させられ、セルと有限要素を同一視できる観点から、間接的な応用例は多くある。しかし、CAの特徴を直接的に最大限に利用した例が殆どない。これらの考察からCAを用いた自己組織化による形態創生の手順(自律分散系解法)の利便性を考慮した開発を行った。また、種々ある生物的アプローチの技法を視野に入れ、自律分散系解法と遺伝的アルゴリズム(GA)や他の生物的アプローチ技法を連携させた大空間建築構造物の形態創生へと展開する準備を進めた。これらの成果は国際学会で連続体構造と骨組構造に応用した2編を発表している。なお、コンピュータグラフィックス(CG)を利用した基本システムの開発も行い、計算と形態表示のステアリング的表示を可能にし、形態創生の把握を容易にさせた。さらに、CAを用いた解法は、非線形解析への応用が難しいと一般に考えられていたにも関わらず、幾何学的非線形の解析にも応用できることを明らかにした。特に、複合ケーブル構造の初期張力決定問題や施工手順の問題への適用に展開できる基本的なデータの蓄積ができた。複合ケーブル構造の解析では、三次元の移動座標系を用いた定式化を終わらせ、プログラム開発に移すところまで進めている。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 本間俊雄: "節点近傍モデルのセル・オートマトン法による計算力学と形態の創生"第2回半谷裕彦記念「形態解析セミナー」論文集CD. 第2巻1. 1-38 (2000)
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[Publications] 山本憲司: "応力分布を目的関数とする曲面構造の形状最適化に関する研究"第2回半谷裕彦記念「形態解析セミナー」論文集CD. 第2巻4. 1-13 (2000)
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[Publications] 本間俊雄,登坂宣好: "生物モデルの線形硬化則を利用した平面構造の形態決定"日本建築学会大会学術講演会梗概集. 東北B-1. 347-348 (2000)
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[Publications] 栫弁慶,本間俊雄,山本憲司,皆川洋一,登坂宣好: "生物的アプローチによるトラス構造の最適重量設計解析"日本建築学会大会学術講演会梗概集. 東北B-1. 345-346 (2000)
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[Publications] N.Tosaka,T.Honma,K.Yamamoto and Y.Minakawa: "Structural Morphogenesis by Autonomous Decentralized Finite Element Method"The 6th Asian Pacific Conference on Shell and Spatial Structures (APCS 2000). Vol.I. 159-166 (2000)
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[Publications] T.Honma and N.Tosaka: "Generation of Structural Shapes and Systems by Autonomous Decentralized Finite Element Method"The 6th Asian Pacific Conference on Shell and Spatial Structures (APCS 2000). Vol.II. 809-816 (2000)
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[Publications] 井本裕介,登坂宣好,本間俊雄: "自律分散有限要素法によるトラス構造物の形態解析"日本機会学会第13回計算力学講演会講演論文集. 13. 327-328 (2000)
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[Publications] 工藤豊,皆川洋一: "遺伝的アルゴリズムを用いた単層トラスドームの最小重量設計"日本建築学会九州支部研究発表会論文集. 第40号・1. 329-332 (2001)
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[Publications] 松山和彦,本間俊雄: "自律分散有限要素法による複合ケーブル構造の解析-初期張力導入法と変形・応力解析-"日本建築学会九州支部研究発表会論文集. 第40号・1. 345-348 (2001)
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[Publications] 栫弁慶,本間俊雄: "生物的アプローチを利用した空間構造の形態創生と発想支援について"日本建築学会九州支部研究発表会論文集. 第40号・1. 709-712 (2001)
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[Publications] 日本建築学会 編(本間俊雄分担執筆:I-4,III-1-5): "構造形態創生の理論と応用"日本建築学会・丸善. 31 (2001)